エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

夏の終わりに

2014年08月23日 | ポエム
夏の終わり・・・大雨の被害が広がっている。
多くの方がお亡くなりになった。
慎んで哀悼の誠を捧げるものである。

年齢に関わりなく、運命が襲いかかったのだ。
心が痛む。
同時に、為政者の無策の結果に血液が沸騰する。
天災であり、人災である。

皆さんと共に「黙祷」。



緑が、やけに目に沁みる。
雨が欲しい・・・けれど今日はまだ降りそうにない。







    夏の終わりに


  たしかに
  夏の火照ったからだが

  鋭く放擲(ほうてき)されて
  傷んだたましいとともに
  流離(さすら)う

  夏の終わりに
  ぼくは
  屹立する

  たしかに
  夏の火照ったからだは

  こころと乖離(かいり)して
  滾(たぎ)るような言魂とともに
  流離う

  言魂は
  何も産まず
  ただ流離う

  流離い
  傷み
  毀(こわ)れ
  消滅するのだ

  夏の終わりの
  鈍色(にびいろ)のこころは
  ささくれ立ってしまった
  誰が
  悪いのでも
  無い
  ぼくの
  自意識過剰の資産が
  膨れ上がった
  だけなのだ

  夏の終わりに
  ぼくは
  密やかに
  慟哭する
  心の傷みと共に
  慟哭するのだ
  緑の雨は
  もう降らない

  夏は終わり
  秋隣
  寂寥を
  押しやり
  ぼくは
  夏の終わりを
  楽しむのだ

  たしかに
  夏の火照ったからだは

  こころと乖離(かいり)して
  滾(たぎ)るような言魂(ことだま)とともに
  流離う
  のだ







空を見上げればよろしい。
雲の形が、すっかり秋へと移ろいでいるのだ。



万緑を詠いあげた並木が、涼やかに感じられるのは・・・ぼくだけだろうか?



うろこ雲、いわし雲が空の主流に変わりつつある。
昼と夜の気温の差が、徐々に大きくなってくる。

残暑は、もうしばらくだ。
本当か?



      荒 野人