エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

菊枯る

2015年01月04日 | ポエム
菊が枯れて、世俗は厳冬に至っているのである。
菊枯る、あるいは寒菊、冬菊などが季語となる。

誠に、楚々とした菊の花である。
けれども菊一個で季節を表すのだ。



楚々・・・とした意味合いについて触れよう。
華美でも無く、かといって凜としている訳でもない。

目立つでもなく、かといって隠れている気配も無い。







「菊枯るる世俗の芥吸い尽くし」







様々な色合いで、世俗の塵を吸い尽くさんとする。
寒菊は、厳冬に枯れる。
菊枯れるのは、厳冬の生業でもあるのだ。



菊は栄える、葵は枯れる・・・なんていう歴史もあった。
歌謡曲もあった。

けれども、寒菊は普遍的に枯れるのである。



       荒 野人