昨日、ぼくは上野東照宮のぼたん苑に出かけた。
冬牡丹を愛でに出かけたのである。
雪囲いとも藁ボッチともいう、霜除けの覆いに優しく守られている。
藁は風を和らげてくれるのだ。
冬牡丹は「凛」として咲く。
白さが良い。
加えて、花弁の薄さは嫋やかである。
春牡丹が良いわね・・・などと言いながら歩く初老の夫婦。
冬牡丹の花の前で、そんな事言わないでほしい。
そうした、優れて否定的な個人的感想は胸に納めるのも「上花」であるのだ。
「冬ぼたん風和らげる藁の屋根」
冬牡丹の花を愛でた後、着物姿のモデルの撮影会が境内で行われていた。
明日、そのモデルの激写を紹介しよう。
けれど、冬牡丹に勝るとも思えず少しばかり躊躇っている。
その躊躇いが、冥界で牡丹を撮った気分を誘うのだ。
赤は赤、緑は緑。
色の峻烈な印象は、拭い難いのだ。
拭い難いから、冬牡丹はぼくにとって峻裂なのである。
峻烈は、誰かを重ねる訳でもない。
ただ峻烈なのである。
荒 野人
冬牡丹を愛でに出かけたのである。
雪囲いとも藁ボッチともいう、霜除けの覆いに優しく守られている。
藁は風を和らげてくれるのだ。
冬牡丹は「凛」として咲く。
白さが良い。
加えて、花弁の薄さは嫋やかである。
春牡丹が良いわね・・・などと言いながら歩く初老の夫婦。
冬牡丹の花の前で、そんな事言わないでほしい。
そうした、優れて否定的な個人的感想は胸に納めるのも「上花」であるのだ。
「冬ぼたん風和らげる藁の屋根」
冬牡丹の花を愛でた後、着物姿のモデルの撮影会が境内で行われていた。
明日、そのモデルの激写を紹介しよう。
けれど、冬牡丹に勝るとも思えず少しばかり躊躇っている。
その躊躇いが、冥界で牡丹を撮った気分を誘うのだ。
赤は赤、緑は緑。
色の峻烈な印象は、拭い難いのだ。
拭い難いから、冬牡丹はぼくにとって峻裂なのである。
峻烈は、誰かを重ねる訳でもない。
ただ峻烈なのである。
荒 野人