エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

コハクチョウの餌場

2015年01月19日 | ポエム
コハクチョウの餌場は、土手の向こう側の田園地域である。



しかしながら、昨日に紹介したように水田を既に畝ってしまっている。
感嘆に言えば、掘り起こしてしまっているのである。

稲刈りの後を、そのまま放置してある水田が何枚あるのか・・・。
それが白鳥の命を繋ぐのである。



ぼくは、土手を越えて白鳥を探した。
いたいた・・・。
数十羽、およそ70羽は越えていよう。



餌を啄んでいる。
中には、満腹なのであろううたた寝しているコハクチョウもいる。



満ち足りた風情であって、見ているぼくも満ち足りてくる。
よくぞ・・・水田を放置しておいてくれた、と感謝の気持ちになる。







「天翔る衣擦れのして小白鳥」







しばらく観察していたのだけれど、徐徐に飛翔して去っていく。
きっと、川に戻っているのだと思う。
餌もやらず、周辺の水田も農業サイクルのまま。
コハクチョウの事情には頓着しない行政の無知蒙昧。
せめて「白鳥のために、水田10枚に一枚はほったらかしでお願い致したい!」
そう農家にお願いするくらいは、行政は頭を下げてほしい。



鳥ウイルスの責任は、コハクチョウには無い。
白鳥を見学に来る一般の方が、隠れて餌をあたえるよりは、そのほうがずっと良い。

人は、生き物の気持ちを忖度(そんたく)出来る筈だ。
そうでないなら「考える葭」を返上しなければなるまい。




      荒 野人