=118 ~木の因数分解~(家具工房つなぎブログ)

南房総でサクラの家具を作っています。ショールーム&カフェに遊びにおいでください。

神様、仏様、○○様

2010年09月12日 | 【仕事】岡山の工房での日々
写真は、単なるポストカード立てです。

でも、
そのうちのひとつは、鉋がけ+サンドペーパー+オイル仕上げ
もうひとつは、サンドペーパー+オイルのみの仕上げです。


世の中にはサンドペーパーという便利なものがあって、
しかも機械式もあったりして、
結構なものが、平らになったりします。

テーブルなどを鉋がけしていて、
逆目などでうまく削れない場合でも、サンダーが平らにしてくれることも可能といえば可能と言えると思います。

しかし、もともとサンダーはオイルフィニッシュをする前工程であり、
材そのものを平らにするものではありません。

親方はじめ経験者は、
やはり、鉋がけをしっかりしたものと、サンダーに頼ったものでは、
できた当初はあまり見分けがつかなくても時間の経過とともに、その滑らかさに違いが出てくると言います。

そんな言葉を自ら実感してみようと作ったのが写真のポストカード立て×2です。
製作してから2、3ヶ月が経ちましたがまだ目立った違いはでてきていません。
でもきっとそのうち出てくると思います。

それに、やっぱり職人として誰にでもできるサンダーには頼りたくありません。
ビシッと鉋をかけるのが職人として当然ですよね。



とは、思いながらも、
先週から、桜のテーブルや栗の板などをたくさん鉋がけさせてもらっている中で、
ときどき、
ほんの一瞬間がさしたように、聞こえてくる言葉があるんです。

「神様、仏様、サンダー様、
どうかこの傷を消してください。」と。

もう腕と腰がヘトヘトで、この残暑。


でもそこはふんばりどころ、
少し他の作業をしたり、休憩したりして再び鉋を構えます。

最近ありがたいことに、
一生ものとして高額で手に入れた碓氷さんの鉋「晩悠」の切れ味に、
「やっぱりこれは違うな」と思うときがあります。
今後もこの鉋「晩悠」を使い込んで、
どんなに硬くて癖のある木目が入った難敵な板が来ても対応できるようにしたいと思います。
「神様、仏様、晩悠様」ってね。
コメント
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