餌金日記

金魚と川魚飼いの日常です、

商品テストは誰の為

2021-02-13 22:35:21 | アート・文化
「花森安治『暮しの手帖』の絵と神戸」を見て来ました。
場所は広くないので展示数はそれほど多くないと思うのですが、当時の記事が出ていたので読んでいくとやたら時間がかかります。でも気になるのよ。花森安治さんと言えばNHK朝ドラ「とと姉ちゃん」で唐沢寿明さんがしていました。女性雑誌の為に尽力されていました。花森さんの描いた表紙の絵がとにかく可愛い。絵ばかりかと思ったら写真も多用されていました。
「暮しの手帖」と言えば商品テストが有名なのですが、その商品テストの記事が目からウロコでした。商品テストは消費者のためにしているのではないと書いてありました。え?です。次々と新商品が生み出される時代。そういった時代に商品を見る目がなんの役に立つだろうか。このすさまじい商品の洪水は水道管にヒビが入りバルブを閉め忘れて水浸しになっているようなもの。まず緩んだバルブをしっかりと締め、新しいパイプと取り替えること。企業は売れればどんな商品でも作ります。メーカーが役にも立たない品、要りもしない品、すぐ壊れる品、毒になる品を作らなければ、そう言う品を店が売らなければそれで事はすむ。商品テストは企業に良い商品を作ってもらう為に行っていると。店に並んでいる商品がちゃんとした品質と性能を持っているなら、消費者は自分の趣味や懐と相談して決めればいいと。考えのスケールが違います。こういう人がいたから日本製品は向上したのね。ありがたいです。

直接教えない弟子達

2021-02-13 00:24:13 | 本と雑誌
小林忠「教えてコバチュウ先生!琳派超入門」読了。
綺麗な図版も多く、琳派の歴史がわかりやすく説明されています。狩野派などの流派は家督を継ぐことで画風や制作の機会を守って来ましたが、琳派は直接のつながりがないみたいです。100年前の絵師達を勝手に師と仰ぎ、作品を模写し、自分なりの作品で先人に答えようとする。私淑と言うそうで。で、大体100年ごとにスターが出て来るそうです。光悦と宗達が始め、100年後光琳と乾山が現れる。その100年後に酒井抱一や鈴木其一が現れる。で、明治には神坂雪佳が出る。さて、現代の琳派のスターって誰なんでしょう。エッセンスや美意識はあちこちに継承されているそうで。面白いのは新国立美術館で「古典×現代2020 時空を超えるアート」で乾山の焼き物と皆川明さんのテキスタイルを一緒に展示されたそうで。「ミナペルホネン」だ。うん、マリメッコと乾山って合うからミナペルホネンも合うはず。見ていてほんわかするデザインです。しかし、勝手に師と仰いで続いていたとは。今の神絵師を目指す人達に似ています。琳派って面白いです。