餌金日記

金魚と川魚飼いの日常です、

中国の故事みたいに

2021-04-11 22:32:15 | 本と雑誌
溝口智子「五百津刺繍工房の日常」読了。
ファンタジー系で刺繍物ってたまにありますが日本刺繍って珍しいなと。日本刺繍ってとってもハードルが高いんです。まず絹糸をよるところから始まります。下地が西陣。失敗してダメになるくらいならこのまま使うわ、の世界です。しかし魅力あるのね。初版第2刷です。代々続く刺繍士の家系の亮子は左甚五郎みたいな女性です。リアルな動植物を仕上げると動き出す為有職紋様しか刺繍出来ません。ところがこの絵を刺繍してくれとリアルなネズミの注文が来て。またその刺繍工房が再開発地区のただなかで。
亮子がどうしていくのか、おばあちゃんはどうなるのか。そこが見どころです。刺繍はクロスステッチでも勘弁してくれですが、見るのは好きです。超絶技巧の宝庫。こぎん刺しとか目の保養です。つい人が縫っているのを忘れます。勝手に蔓がのびていく刺繍があってもいいよね。