最近気になっているニュースが「いじめ自殺」を文部科学省の大臣に予告する匿名の手紙が相次いでいることだ。マスメディアの報道の仕方が自殺予告を増長しているのではないか、との懸念である。
自殺報道のパラドックス
文科省に最初に届いたのは今月7日。差出人は不明だが、大臣、教育委員会、校長など宛てた合計7通の手紙が入っていた。それを新聞やテレビのメディアは写真つきでその手紙で紹介した。すると、後日さらに5通の匿名のテレビが大臣宛てに届いた。
いじめに耐えかねている子どもにすれば、遺書を読んでもらえれば、あるいは遺書を写真で出してもらえれば、いじめている側に一発逆転の復讐ができる、という思いがあるだろう。つまりテレビや新聞が遺書を紹介するなど丹念に取り上げれば、あるいはセンセーショナルに扱えばそれだけ自殺を増長することになるのではないか。
情緒的で一方的ないじめ自殺の報道は、「自殺するならいまだ」と考えている自殺予備軍の子どもたちの感情を煽ることになる、というのが自論である。 自殺は連鎖するのである。
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