自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★気になるニュース3題

2007年03月01日 | ⇒トピック往来

 3月に入った。季節の変わり目である。こんなときに面白い、奇妙な、驚くニュースが飛び込んでくるものだ。

  ミツバチの集団失踪が相次いでいる。アメリカでのこと。全米養蜂協会によると、元気だったハチが翌朝に巣箱に戻らないまま数匹を残して消える現象は、昨年の10月あたりから報告され始め、フロリダ州など24州で確認された。しかし、ハチの失踪数に見合うだけの死骸は行動圏で確認されないケースが多く、失踪したのか死んだのかも完全には特定できないという。そんな中、原因の一つとされているのが、養蜂業者の減少で、みつの採集などの作業で過度のノルマを課せられたことによる“過労死説”だ。国家養蜂局(NHB)が緊急調査に乗り出した。ハチを介した受粉に依存するアーモンドやブルーベリーといった140億ドル(約1兆6000億円)規模の農作物への深刻な影響が懸念され始めた。(3月1日・産経新聞インターネット版より)

  「発掘!あるある大事典Ⅱ」のデータ捏造問題の続報。2月28日、総務省へ再報告書を提出した後、関テレの千草社長が記者会見した。再報告書をまとめるにあたって、社員220人以上が作業延べ1860時間かけ520回の番組をすべてチェックした。さらに調査が必要な回に関しては社員20人が延べ4000時間以上をかけて精査した。疑問点などを洗い出し、外部の調査委員会に提出し、検討してもらうのだという(3月1日付・朝日新聞より)。ここからは私見が入る。ざっと6000時間をかけた社内調査だが、むしろダイエットの専門家による調査が必要ではないのか。外部調査委員会にしても5人の委員の職業構成は大学助教授(メディア論)、弁護士、大学大学院教授(メディア法)、メディア・プロデューサー、作家であり、医学的な見地から述べる人がいない。最終的な報告書をまとめ上げるにしてはバランスが悪い。

  江戸時代に加賀藩主に仕えた料理人の史料を読み解いている富山短大の陶智子(すえ・ともこ)助教授が2月28日に金沢市内で講演をした。その講演内容の紹介記事(3月1日付・北陸中日新聞)。17世紀の前田家の料理人、舟木伝蔵が子孫にレシピや食材を伝えるために多数の文書を残した。その分析から、陶氏は「金沢は北前船がもたらした昆布でだしを取る文化だが、前田家は赤いみそを多く使い、尾張に近い味付けをしていた」と。藩祖の利家は赤みそ文化の尾張国愛知郡(現・名古屋市中川区)の生まれ。味覚というのは、その後の前田家ではDNAのように引きつがれていたようだ。いまのご当主は18代目、関東に住んでおられるが、許されれば、「いまでも赤みそですか」とたずねてみたいものである。食の文化史の事例研究になりそうだ。

 ⇒1日(木)夜・金沢の天気    はれ

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