自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★倒壊と高齢化の被災地

2007年03月26日 | ⇒トピック往来

 きょう(26日)、能登半島地震の被災地を同僚の研究員と訪ねた。今後進むであろう復旧作業に金沢大学の学生ボランティアをどこにどう派遣すればよいのか、現地のボランティア受けれグループとの打ち合わせをするためだ。

  被害状況はマスメディアで紹介されているより、相当大きい。まず、能登への幹線である能登有料道路が陥没で一部の区間(内灘-柳田)しか使えない。さらに、支線の道路は陥没に加え、段差や「うねり」があり、速度は出せない。

   家屋被害が集中しているのは、輪島市門前町や河井町などだ。中でも、門前町道下(とうげ)集落では一気に50戸が全壊し、余震があるごとに、その数が増えている。また、液状化現象で道路の亀裂に噴き上げられた土砂が乾燥して、いたるところに砂ぼこりが舞っている。大事に至る火災は発生していない。

  門前町は江戸時代に北前船の寄港地として栄えたところ。その北前船資料館で有名な「角海家」が崩落寸前の状態だ。強い余震で倒壊の恐れがある。ほか、興禅寺など仏閣が全壊、総持寺祖院は灯篭が倒れたりの被害があったものの、本堂や庫裏などは無事だった。

   写真を撮りながら歩いていると、災害の後片付けをしているおばあさんがいた。この地区は高齢化率47%、冠婚葬祭などの共同体としての活動ができなくなるといわれる「集落集落」に近いづいているのだ。復旧には若いボランティアの手が必要だと実感した。

  26日夜、外の気温は4度。放射冷却現象で気温が下がっている。避難生活を送る人は輪島市門前町だけでざっと1500人。中には、家屋が倒壊し、畑のビニールハウスで寝泊りをしている家族もいる。この寒さはこたえているはず。

   旧・門前町役場で設置されたボランティアセンターでは余震が収まる見通しの28日から毎日200人規模のボランティアを金沢から受けれる段取りをしている。内容は、被災地での後片付けや避難所への食事の運搬、飲料水の高齢者宅デリバリーなどさまざまにある。学内のボランティア団体に対し活動参加の呼びかけを始めている。

 ⇒26日(月)夜・金沢の天気   はれ

コメント (3)
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