自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★GIAHS北京対話-下-

2011年06月12日 | ⇒トピック往来
 その歌声は懐かしい響きがした。北京で開かれているGIAHS(世界重要農業資産システム)国際フォーラムの11日夜の懇親会でのこと。中国ハニ族の人たちがステージに上がり土地の民謡を歌った後、能登半島・七尾市から武元文平市長に随行してきた市職員が祝い歌「七尾まだら」を披露した=写真=。武元氏もステージに上がり手拍子を打った。朗々と歌うそのシーンは感動ものだった。会場が沸いた。すると、すかさずケニア・マサイ族、ナイジェリアと参加者が続々とステージに上がり土地の歌を披露した。佐渡市長の高野宏一郎氏は「佐渡おけさ」を歌い、職員2人が踊った。ステージは国際民謡大会の様相だった。国際親善とは本来このような在り様なのだろう。

         生物多様性保全と持続可能な農業、手を携えるパートナーとして

 11日午前9時から開かれた認証式で、能登半島の「能登の里山里海」と、佐渡市の「トキと共生する佐渡の里山」が正式にGIAHS(通称:世界農業遺産)の登録が認められ、授与式があった。武元氏は「大変名誉ある認証をいただき、とてもうれしい。日本の中でも遅れているといわれてきた地域が評価された。豊かな自然、文化、農林水産業が営々と続いている。先人の営みがまとめて評価された。今後は能登と佐渡が手を携えて、環境に配慮した農林水産業の地域づくりにまい進したい」と語った。

 
 そして、高野氏は受賞の喜びをこう語った。「世界農業遺産(GIAHS)の登録はゴールではなく、新たなスタートです。この認定を誇りに思うとともに、佐渡島民は受け継いできたこの農業の価値を認識し、より一層の持続可能な農業生産活動と里山、自然、文化の保全そしてトキをシンボルとした生物多様性保全に取り組みを進めなければなりません。登録を契機に佐渡GIAHSプロジェクトアクションプランを策定し、市民の皆様と産官学の連携を構築し、佐渡島が一体となって、環境再生と経済発展の仕組みが強固となるよう推進し、人と自然が共生する里山の風景、文化、生物多様性保全の新しいモデルとして佐渡の取り組みが確立されるよう努力を続けたいと決意を新たにしているところです」

 今後、能登と佐渡が同じステージに立ち、生物多様性保全と持続可能な農業と地域づくり、そして国際交流、国際貢献とともに手を携えて進むパートナーとなる。

⇒12日(日)朝・北京の朝   はれ
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