夏の甲子園大会、石川代表の星稜は決勝戦(22日)で大阪の履正社に敗れ準優勝となった。仕事の合間にテレビで観戦していた。7回に同点に追いついた時はこれから逆転が気が始まると期待し、9回裏ではサヨナラ勝ちのドラマを勝手に想像していたが、終わってみると「ここまでベストを尽くしてよくやった」と。
きょう朝刊では地元ローカル紙の見出しが躍っていた=写真=。記事を読んで、目を引いたのは星稜OBで、甲子園レジェンド「5打席連続敬遠」の松井秀喜氏のコメントだった。記事には松井氏が「大会本部を通じてコメントを出した」とあるので、おそらく大会主催者の朝日新聞の記者がニューヨークにいる本人にインタビューしたものを共有したのだと察する。長いコメントだが全文を引用する。
◇
「結果は残念でしたね。見ていましたよ。決勝戦だけではなくて、インターネットで全試合見てました。でも、仕方がないです。勝者と敗者が必ず出てしまうのが野球です。履正社とお互いに精いっぱい戦って、負けたわけですから。決勝戦も非常にいい試合でした。7回の同点劇の攻撃なんか、素晴らしかった。
奥川君を中心とした、まとまったチームに見えました。守備も良かったし、打線は苦しんでいましたが、智弁和歌山戦以降、爆発しましたね。今までの星稜だったら、智弁和歌山に負けて終わり。甲子園での死闘は必ず敗者になった。あの試合に勝てたことは、今までの星稜の歴史を変えてくれたと思います。令和元年、101回目の甲子園で、何か新しい歴史が始まる感じがしました。
林監督については、選抜大会以降、彼も大変だったと思う。(謹慎の)2カ月間、野球を離れて、彼も自問自答し、新たな出発をしてここまで来られたことは、素晴らしいですし大きな財産になったと思います。でも、ここで優勝できないのが、星稜。母校のそういうところも大好きです。何か新たな宿題が残った感じですね。また、新たなチャレンジをして全国制覇を狙ってもらいたいですね。
ただ目標は全国制覇かもしれませんが、星稜高校野球部のモットーは、あくまでも、野球を通しての人間形成です。それが校訓である『社会に役立つ人間の育成』につながっていくと考えています。
後輩たちのプレーにたくさん感動させてもらいました。林監督はじめ選手の皆さん、本当にお疲れさまでした。そして、ありがとうございました」
◇
決勝戦は午後2時01分に始まって試合終了は同4時10分だった。閉会式は同4時27分からだった。松井氏がNYでネット動画をリアルタイムで観戦していたとすると、サマータイムの時差で13時間なので、現地22日午前1時01分から3時10分まで視聴したことになる。朝日新聞の取材はそれから少なくとも30分はかかっただろう。インタビューに応じる松井氏の写真は朝日新聞にも掲載されていないので、おそらく電話でのインタビューだったと想像する。
17日3回戦の智弁和歌山戦も観戦したとコメントしているので、当然ながら18日準々決勝の仙台育英戦、20日準決勝の中京院中京戦も観戦しただろう。智弁和歌山戦は午前の試合だったが、以降の3試合は午後だったので、NYでは深夜から未明の時間。伝説的人物、松井氏も45歳、後輩たちの活躍を見守るために寝不足が続いたのではないだろうか。
⇒23日(金)夜・金沢の天気 くもり