自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★ゼレンスキー大統領がヒロシマで発したメッセージ

2023年05月22日 | ⇒ニュース走査

   G7広島サミットは21日に閉会したが、ウクライナのゼレンスキー大統領が急きょ日本を訪れ参加したことで、注目度が一気にアップした。19日午後にテレビで来日のニュース速報が流れ、20日午後3時35分にフランス政府専用機で広島空港に到着した。タラップを降りる姿はトレードマークとなった全身カーキ色の服で軽くステップしながらも堂々とした姿で、ロシアの侵略戦争と戦う指導者というイメージがさらにアップした印象だった。

   翌日21日午後、ゼレンスキー大統領がサミット閉幕後に原爆資料館を訪れ、岸田総理とともに平和記念公園の原爆慰霊碑に献花した。このとき、前日のカーキ色のトレーナーを黒いトレーナーに着替えていたように見えた。外務省の公式サイトをチェックすると、黒のトレーナーで献花していた。哀悼の意を込めて黒色に着替えたのだろう=写真・上=。

   原爆資料館を訪れたときに、芳名帳に記帳したゼンスキー大統領のメッセージが外務省公式サイトに掲載されている=写真・下=。「Глибоко вражений відвіданням Музею. Жодна держава світу не має пережити такий біль і руйнування. Ядерному шантажу не місце в сучасному світі.」(原爆資料館の訪問に深く感銘を受けた。世界中のどの国も、このような苦痛と破壊を経験することがあってはいけない。現代の世界に核による脅しの居場所はない)

   ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用も辞さない構えを見せる中、被爆地ヒロシマで核の脅しに屈しない姿勢をメッセージとして伝えた。

   平和記念公園の原爆慰霊碑に献花した後に行われた記者会見で述べた言葉。「ウクライナのバフムトで起きている破壊とかつての広島の写真の風景が似ている。バフムトはすべての建物や道路が壊された状態だ。広島を見て、生きている街だと感じた。バフムトも将来、必ず再建できると思う」(21日付・NHKニュースWeb版)。

   バフムトはウクライナ最大の激戦地となっている東部ドネツク州の要衝。ガレキと化しても、広島のように復興し、繁栄できる、それを目標にするという決意でもある。ゼレンスキー大統領が被爆地ヒロシマから世界へ発信したメッセージだ。

⇒22日(月)夜・金沢の天気    くもり 

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