ユネスコが定める世界ジオパークに、石川県白山市の「白山手取川ジオパーク」が認定された。パリで24日に開かれた第216回ユネスコ執行委員会で決定した(24日付・読売新聞Web版)。日本国内の世界ジオパークは、洞爺湖有珠山、アポイ岳、糸魚川、伊豆半島、山陰海岸、隠岐諸島、室戸、阿蘇、島原半島の9地域があり、白山手取川の認定は10番目となる。
白山は北陸3県ほか岐阜県にまたがる標高2702㍍の活火山であり=写真・上=、富士山、立山と並んで「日本三名山」あるは「三霊山」と古より称される。奈良時代には禅定道(ぜんじょうどう)と呼ばれた登山ルートが開拓され、山岳信仰のメッカでもあった。その白山を源流とする手取川は加賀平野を流れ、日本海に注ぎこむ。手取峡谷にある落差32㍍のダイナミックな綿ヶ滝は見る人を圧倒する。さらに下流では、人々が手取川の水の流れと扇状地を
加賀の穀倉地帯につくり上げた=写真・下、石川県庁公式サイト「くらし・教育・環境」手取川扇状地より=。白山と手取川を眺めると、まさに「大地の公園」のようだ。
白山と手取川が世界ジオパークの国際評価を受けたことで、ジオパーク愛好家やインバウンド観光客が続々と集まってきて、ジオツーリズムといった新たな動きが出てくるに違いない。一方で、手取川は「暴れ川」の側面と歴史があり、下流域は自治体のハザードマップで赤く染まっている。治水対策は永遠のテーマでもある。ジオパークをリスクの視点で考察する格好の事例になるかもしれない。
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