自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★台風迫る 稲刈り前倒し、なぜ3割高い新米価格

2024年08月28日 | ⇒ドキュメント回廊

  金沢から能登方面を往復する自動車道路を走っていると、金沢など4市町にまたがる河北潟周辺に水田が広がっている。薄黄色に色づいた稲穂が風に揺れていた。稲刈りのコンバインが走っていた=写真・上、27日撮影=。ほかに数台走っていた。ふと思ったのは、コメが早生品種であったとしても、稲刈りとしてはちょっと早いのではないかと。そうか、台風10号の接近で収獲を前倒ししているに違いないとようやく気がついた。

  暴風雨となると、田んぼ全体で稲の倒伏が起きる。稲が倒れると、収穫作業が困難になり、収穫量や品質の低下を招くことになる。倒伏して穂が水につかった場合、籾(もみ)が発芽しまうからだ。台風が迫り、農家の人はいろいろと気を揉んでいるに違いない。

  いくらなんでも、3割アップは高すぎる。先日(25日)近所のスーパーに行くと、石川県産の品種「ゆめみづほ」の新米の販売コーナーが設置されていた。このコメは早生品種でいわゆる新米のトップランナー、例年この時期に店頭に並ぶ。今回は値段に驚いた。10㌔袋で4580円(税抜き)だ=写真・下=。何度か買ったことがあるのでこれまでの値段は覚えている。10㌔袋で3480円(同)だった。それが、1100円、3割も高くなっている。

  メディアも報じている。コメの卸売業者によると「ゆめみづほ」の出荷量は例年並みだが、全国的にコメが品薄になり、肥料も高騰していることから、価格が3割ほど高くなったという(今月24日付・NHKニュースWeb版)。言葉は適切ではないかもしれないが、これは先を見越した便乗値上げではないかと思ってしまう。非常に強い勢力の台風10号が間近に迫っている。冒頭で述べたように、稲の倒伏などが全国的に起きるとコメ不足に陥り、価格は上昇するだろう。それを見越した値上げではないか、と考え込んでしまう。

  9月上旬からは県産のコシヒカリなどもスーパーの店頭に並ぶので価格表には注視したい。さらなる値上げになるかもしれない。そうなると、まさに「令和の米騒動」だ。

⇒28日(水)夜・金沢の天気   くもり

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