前回ブログをチェックしてくれた知人から「日本列島の様子がよく見えない。その部分をアップした画像があったら見せてほしい」とのメールがあった。そこで再度、地球儀の画像を=写真=。パンフレットとビデオの説明によると、漆黒の地球儀に塗られた蒔絵と沈金によると金の明かりの部分は、人工衛星による撮影をベースにして制作されたもの。たとえば能登半島の北部、いわゆる奥能登では明かりの部分は明かりが少ない。また、朝鮮半島の北側の部分も暗くなっている。ここからも、忠実な描写であることが実感できる。
この地球儀が大阪・関西万博で展示されることになった経緯を地元メディア各社が報じている。今月19日、万博の会場を訪れた石破総理が視察後の会見でこう述べた。「能登の輪島塗、地球儀もきょうはみることはなかったけどもここに来ないと見られないなというものがある。世界中の方々にそういう実感を味わっていただく」と地球儀を万博会場に展示する方針を明らかにした。伝統工芸である輪島塗を世界に発信することで、復興に向けて被災地を勇気づけていくという思いもあるようだ。また、万博協会も、この作品には対立や分断を超えて他者に思いを巡らすという思いが込められてるとして、万博の理念と合致すると判断した。去年12月に万博からの撤退を明らかにしたイランが出展を予定していたパビリオン内に展示する方向で調整しているようだ。
それにしてもなぜ石破総理は輪島塗の地球儀を知っていたのか。石破氏は総理就任後の初の地方視察として去年10月5日に地震と豪雨の二重被災の輪島市を訪れている。このときに被害を受けた輪島漆芸美術館に立ち寄って地球儀を見学したのだろうか。そこで、きょう午前に同館に電話で確認した。「石破総理が漆芸美術館を訪れて地球儀を見られたことがありますか」と。するとスフッタは「石破さんはまだ来られたことがないです。岸田さんは首相だった去年9月19日に訪れて地球儀も見学されました」と返事だった。
以下あくまで憶測だ。地球儀を万博で展示するという発想はもともと岸田氏のアイデアだったのではないだろうか。それを何らかのカタチで受け継いだのが石破氏だったのか。それにしても、万博展示を表明した石破氏のコメントは意味不明だった。「地球儀もきょうはみることはなかったけども」の部分だ。これを「自身もこれまで見たことはないけれども」に差し替えると意味が通る。ぜひ、万博展示の提案者として実物をぜひ見に来てほしいものだ。見ずして語るなかれ、だ。
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