停滞している秋雨前線の影響できょうから能登半島を中心に強烈な雨が降っている。気象庁はさきほど、21日午前11時前に能登に線状降水帯が発生し、非常に激しい雨が同じ場所に降り続いているとして「大雨特別警報」を発表した。気象庁によると、輪島市中部付近では、レーダーによる解析で午前9時10分までの1時間におよそ120㍉の猛烈な雨が降った。また、ウエザーニューズの雨雲レーダー(午前9時00分時点)を見ると、日本海に伸びる秋雨前線の周辺では雨雲が発達し、その一部が能登半島にかかって線状降水帯となっている。輪島市のアメダスでは9時00分までの1時間に98.5mmの観測史上1位となる猛烈な雨を観測した。
輪島市や珠洲市では河川が氾濫。元日の能登半島地震で山間地などで地盤が緩んでいることから、輪島市は大雨で土砂災害が発生する危険性が非常に高まっているとして、市内の12地区の8867世帯、1万8180人に避難指示を出した。「避難指示」は5段階の警戒レベルのうち警戒レベル4の情報で、危険な場所から全員避難するよう呼びかけている。この雨はきょう正午からあす正午までの24時間で能登に100㍉が予想されている。
写真は7月6日に撮影した輪島市の山間地の様子。民家の裏山では地震で山が崩れがけ地と化しており、大雨でさらに土砂災害の危険性もはらむ。能登ではこのような裏山が崩れているところがいたるところにある。また、川べりの民家の場合、下流で山の土砂崩れが起きると「土砂ダム」が出来て住宅が水没することにもなる。そして、大雨で心配されるのはため池の決壊だ。能登半島は中山間地での水田が多く、その上方にため池が造成されている。半島全体で2000ものため池があると言われている。地震でため池の土手に亀裂などが入っていると、急に雨量が増すことでため池が決壊する可能性がある。こうなると、下流にある集落に水害が起きる。
ため池は共同所有と個人所有があり、それぞれに管理が行われている。ところが、個人所有の場合だと世代替わりでため池の存在すら忘れ去られていることが多い。ため池を放置すれば土砂崩れや水害のリスク、「ため池ハザード」が広がる。もちろん、この問題は能登だけではない。大雨になると、日本中の山のふもとにある集落ではこのようなリスクを背負う。
⇒21日(土)午後・金沢の天気 あめ時々くもり
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