自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆タオルを回せば アサギマダラも踊る

2021年05月26日 | ⇒トレンド探査

   ネット動画でたまたま見つけた、アイドルグループ「PiXMiX」の『タオルを回すための歌』=写真・上=が面白い。手でタオルを回しながら歌い踊る、そのリズミカルな体の振りをさらに回るタオルが雰囲気を盛り上げる。タオル回しと言えば、夏の甲子園大会でも、タオル回しの応援風景が最近見られるようになった。自己表現の一つとしてタオル回しの文化が定着するかもしれないと想像をたくましくした。 

  タオルを回す光景は、実は山の中にもある。2017年9月、能登半島で一番高い山、宝達山(637㍍)に学生たちといっしょに登った。「旅するチョウ」と言われるアサギマダラが宝達山の山頂付近に飛来している。このチョウは春は日本列島の北の方へ、秋には南の方へと飛び、その距離は2000㌔にも及ぶと言われる。宝達志水町役場職員の田上諭史氏ら愛好グループはアサギマダラを捕獲、マーキングして放している。蜜(みつ)がエサになるホッコクアザミを伐採しないようにと植物の保護運動にも取り組んでいる。

   田上氏に捕獲の現場を見せてもらった。右手に白いタオルを振り回していると=写真・中=、上空をふわふわとまるで踊っているような様子でアサギマダラが飛んで来る。近寄って来たところを、左手に持ったネットで捕まえるが、この日は風が吹いていたせいか、1匹しか獲れなかった=写真・下=。それにしても、不思議な光景だった。

   なぜアサギマダラはタオルに誘惑されるのか。以下、田上氏の説明から。寄って来るタオルの色は白色と水色。白色と水色でも、回転しないタオルには寄って来ない。ゆっくり回すより、はやく回すと寄って来る。アサギマダラには回転する白や水色のタオルはどのように見えているのだろうか。吸蜜植物のホッコクアザミやヒヨドリバナなどお花畑が広がる光景なのだろうか。タオルを回せばチョウも踊る。PiXMiXの動画を見てそんなことを思い出した。

⇒26日(水)午後・金沢の天気      はれ  


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