自在コラム

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☆香港に響く「むせび泣き」

2020年12月02日 | ⇒ニュース走査

   香港の民主化運動を訴えてきた黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏や周庭(アグネス・チョウ)氏ら3人に香港の裁判所はきょう2日、禁錮刑を言い渡した。イギリスBBCも「Hong Kong: Joshua Wong and fellow pro-democracy activists jailed」(黄之鋒氏ら民主活動家を投獄)=写真=と大きく伝えている。香港、そして背後の中国に対して国際社会の目線はいっそう厳しくなるだろう。

   香港の民主派団体「香港衆志」の幹部だった黄氏や周氏ら3人は2019年6月、警察本部を取り囲んだ大規模な抗議デモに関連し、無許可の集会への参加をあおった罪などに問われ、先月11月23日、裁判所は有罪を認定し、拘置施設に収監されていた。きょう量刑が言い渡され、「公共の秩序と安全を壊し、市民の生命と安全を脅かした」として、黄氏に禁錮13か月半、周氏に禁錮10か月が確定した(12月2日付・NHKニュースWeb版)。

   BBCの記事の中で気になる下りがある。「The pro-democracy movement has been stifled since Beijing introduced a controversial security law with harsh punishments.But as their offences took place before the law's enactment, the activists have avoided a potential life sentence.」。以下意訳だが、中国政府が、議論の的となっている香港国家安全維持法を(ことし6月に)導入し、厳しい罰則を科して以来、民主化運動は停滞している。この法律が施行される前に彼らの犯罪があったため、(今回3人の)活動家たちは終身刑を免れている。

   また同じくBBCが紹介している人権団体「アムネスティ・インターナショナル」の批判コメントも共通している。「Rights group Amnesty International condemned the ruling, saying it was a way for authorities to "send a warning to anyone who dares to openly criticise the government that they could be next".」。以下意訳。人権団体アムネスティ・インターナショナルはこの判決を非難し、これは当局が「政府を公然と批判する勇気ある人に、次は自分たちであるという警告を送る」方法であると述べた。

   BBCやアムネスティ・インターナショナル伝えているように、この判決は民主活動家への「警告」だろう。香港国家安全維持法(国安法)施行前の法律での裁きなので、量刑はこれで済んでいるが、今後の抗議活動は国安法での裁きになるので終身刑も覚悟せよ、とのメッセージなのだ。

   周氏の場合、ことし8月に国安法に違反した疑いでも逮捕されていて、今後起訴される可能性もある。周氏が収監されるのは今回が初めとなり、周氏は裁判のあと肩を震わせてむせび泣いていた(NHKニュ-スWeb版)。ニュースを通じて、このような民主活動家への弾圧が現代でも繰り広げられていることに、憤りを覚える。

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