きょうも雪の朝だ。晴れ間に雪すかしをする。「冬来たりなば春遠からじ」と自身に言いきかせながら作業をする。この冬は寒さは厳しいが、桜の開花は早めめで金沢は3月25日との情報が出ている(1月13日付・ウエザーニューズ公式ホームページ)。春が待ち遠しいのだが、この3月は「政治の嵐」に見舞われそうだ。3月13日投開票の石川県知事選挙にきのう(13日)金沢市長の山野之義氏(59)が立候補を表明し、すでに名乗りを上げている元プロレスラーで自民党の前衆院議員の馳浩氏(60)、同じく元農林水産審議官で自民党前参院議員の山田修路氏(67)との「三つどもえの戦い」となることがほぼ確定した=写真=。
石川の知事選で、知名度がある保守系の政治家3人が争う構図は初めてだ。現職の谷本正憲氏(76)は自治省の元官僚で副知事に就任し、1994年3月の知事選で元農水事務次官の候補を破り、以降7期28年になる。去年11月に今期限りでの退任を表明した。その前の中西陽一氏も自治省の元官僚で副知事に就任し、1963年の知事選で当選、以降8期31年その任に当たった(76歳で在職中死亡)。自身は石川で生まれたシニア世代で、物心がついて覚えた知事の名前は「中西」「谷本」の2人しか知らない。なので「国会議員は政治家」「知事はキャリア官僚」というイメージがこびりついてしまっている。
地方分権の首長とは言え、中央官庁とのパイフを持つ知事は頼りされる。都道府県知事の6割が元キャリア官僚といわれる。ところが、最近のトレンドとして国会議員などの政治家が知事への「転職」にシフトしているのではないだろうか。現在、都府県知事は12人は元国会議員で、自民党衆院議員を辞して東京都知事になった小池百合子氏はそのシンボル的な存在かもない。ほかにも、群馬の山本一太氏(元参院議員)、沖縄の玉城デニー氏(元衆院議員)が知られる。
では、なぜ知事への転職を目指すのか。以下憶測だ。自民党の国会議員といえども、党という「合議体」の一員にすぎない。大勢の「センセイ」の一人なのだ。それに比べ、知事は政策の実現に向かって進むことができる。谷本氏は県内で2番目の空港となる能登空港の開港(2003年7月)、北陸新幹線の金沢延伸(2015年3月)といった大型プロジェクトをやり遂げた。また、中西氏が「能登と加賀の格差是正」を打ち出して能登半島に縦貫する「能登有料道路」(83km)をつくり、谷本氏は2013年3月に無料化した。2人には政策の実現性というものが見えた。
3月の石川の知事選に国会議員、首長といった政治家3人が名乗りを上げた。その背景には、現在の副知事にキャリア官僚がいないということもあるのかもしれない。それにしても、3人の出馬表明は分かりやすい。馳氏は去年7月19日に記者会見し、秋の衆院選に出馬はせず知事選に立候補すると表明。山田氏は12月3日に立候補を表明し、臨時国会閉会後に議員辞職。山野氏は市長任期を連続3期12とする多選自粛条例を自ら議会に諮って通した。3人とも自ら退路を断ち知事選に臨む。その分、強烈な三つどもえの嵐が吹くことが予想される。折に触れてウオッチしていきたい。
⇒14日(金)夜・金沢の天気 くもり
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