それにしてもショッキングな見出しだ。「Trump pressured his alcoholic brother about his career. Now he says he has regrets.」。直訳すれば、「トランプ氏はアルコール中毒の兄弟に仕事について圧力をかけた。今彼はそれを後悔していると言う」となるだろうか。きのう(12日付)に続き、すし屋での話である。アメリカのトランプ大統領はアルコールを飲まないというのは知られたことだが、飲めないのか、飲まないのかの話になって、隣の客が「訳ありで飲まないらしい。先日(9日付)NHKのニュースでやっていた」と。帰宅して、NHKニュースWeb版をたどると確かにあった。ネタもとがアメリカのワシントン・ポスト紙とあったので、さらに同紙のWeb版をたどって記事を見つけた=写真=。
この記事を読み込んでいく。トランプ氏本人やファミリーに詳しい人物へのインタビューをまとめて記事は構成されている。トランプ氏はアメリカで深刻な問題となっている薬物依存症に触れて、自分の兄もアルコール依存症だったとすでに言及していた。ワシントン・ポスト紙はさらに突っ込んで、なぜ兄が依存症になったのかを取材したのだ。
記事にはその核心部分として、トランプ氏本人へのインタビューが掲載されている。「“I do regret having put pressure on him,” Trump said. Running the family business “was just something he was never going to want” to do. “It was just not his thing. . . . I think the mistake that we made was we assumed that everybody would like it. That would be the biggest mistake. . . . There was sort of a double pressure put on him” by his brother and his father. 」
前後の記事と合わせて要約する。トランプ氏と父が家業である不動産ビジネスに8歳上の兄フレッドに参加するようにとプレッシャーをかけてた。兄はパイロットになる希望を抱いて航空会社でトレーニングを受けていた。しかし、トランプ氏と父は「時間のムダだ」と反対し、繰り返し不動産業に入るようにプレッシャーをかけ続けた。このころから兄のアルコール依存症はひどくなり、航空会社を辞めざるを得なくなった。その後、兄は不動産ビジネスに参画したものの、依存症の悪化が原因で1981年に亡くなった。42歳だった。トランプ氏は兄のアルコール依存症を悪化させたのは自分だと後悔している。兄のこの一件があり、トランプ氏自身は酒を飲まないと決めた。
記事は最後をこう締めくくっている。「“I guess you could say now I’m the chief of trying to solve it,” Trump said. “I don’t know that I’d be working, devoting the kind of time and energy and even the money we are allocating to it. . . . I don’t know that I’d be doing that had I not had the experience with Fred.” 」。トランプ氏はアメリカにおける薬物依存症問題にすべてを捧げる決意をしている。兄とのこうした経験があるからだ、と。
⇒13日(火)朝・金沢の天気 はれ
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