台湾での大地震について、前回ブログで「他人事とは思えない」と述べた。同じ極東アジアで起きたマグニチュード7クラスの揺れであり、その恐怖感は共有体験でもある。そして、これは個人的な思いかもしれないが、震災を通じた台湾との友好な関係性が心をよぎるからだ。
元日の能登半島地震が起きて1週間ほど経って、台湾の台北市に赴任している知人からメールで写真が送られてきた。台北市内のコンビニでは能登地震の義援金を受け付けていて=写真・上=、街頭でも募金活動が行われているという内容だった。「台湾の人たちの能登の被災地への思いやりは半端じゃないよ」とコメントがあった。
後日、その半端じゃない思いやりが数字となって表れて、さらに驚いた。被災から1ヵ月も経たない1月23日、林官房長官が記者会見で、能登半島地震に対して台湾政府から民間で募った25億円以上の寄付金が贈られてきたと説明し、「多大なる支援をいただき、深く感謝する。台湾の日本に対する友情の証しだ」と謝意を表明した(1月23日付・共同通信Web版)。台湾政府は 地震発生直後に6千万円を被災地への義援金として日本政府に寄付していて、政府と民間を合わせると27億円にも届く志(こころざし)が寄せられたことになる。
日本と台湾の被災支援を通じた交流はこれだけではない。1999年9月21日に台湾中部で起きた震度7の地震で2400人が亡くなった。このとき日本政府は救助隊を派遣し、仮設住宅1500戸を整備し寄贈した。1万5900人が亡くなり、行方不明者が2500人に上った2011年3月11日の東日本大震災では、台湾が日本に緊急援助隊を送り、さらに200億円の寄付金を寄せている。
日本は1972年の中国と国交正常化で、台湾と外交的には断交した。しかし、震災を通じた人道支援で日本と台湾はしっかりとつながっている。
⇒4日(木)夜・金沢の天気 くもり
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