今月21日から22日にかけて能登半島の北部で降った記録的な大雨で輪島市内の小中学校12校は臨時休校となっていたが、そのうち10校はきょうから授業を再開した。床上浸水など被害が大きかった同市町野町の小中2校の授業再開は来月1日以降となる見通しという(26日付・地元メディア各社のニュース)。
記録的な大雨による死者は輪島市9人、珠洲市2人の合わせて11人となった。行方や安否が分からない人が4人いる。このうち川が氾濫して4軒の住宅が流された輪島市久手川町の塚田川周辺では14歳の女子生徒が流され、連日、警察や消防、自衛隊がおよそ430人の態勢で捜索を行っている=写真=。
大雨で大きな被害が発生していることから、天皇、皇后両陛下の長女愛子さまが今月28、29日に能登半島地震の復興状況を視察される予定だったが取りやめとなった。地元メディア各社が伝えている。愛子さまは仮設商店街や和倉温泉など視察し、復興に向けて取り組む住民と交流する予定だった。愛子さま単独での地方公務は能登が初めてとなると地元メディア各社は注目していたが、大雨で流れた。
そんな中、石川県の馳知事のひと言がまた物議をかもしている。今月24日に開催された県の災害対策本部会議で、馳知事が「1日も早い復旧のためには、ボランティアのみなさんのお力が不可欠」と訴え、「泥かきなどのボランティアを大規模で投入する必要があると痛感した」と述べた。この「投入」という言葉は不適切ではないか、ボランティア軽視ではないか、と。
馳知事とボランティアは相性が悪い。ことし1月10日の記者会見で「個人的なボランティアは2次被害に直結するので控えてほしい」と訴えた。知事は被災地へ向かう道路事情が悪く、個人的なボランティアで自家用車で現地に行くと渋滞に巻き込まれ、救急車や消防車の往来にも支障をきたすのでしばらく控えてほしいという意味で述べたのだが、いつの間にか「ボランティアは自粛」「行かないことが支援」の言葉が独り歩きを始めた経緯もある。
馳知事にはボランティア軽視の気持ちはないかもしれないが、「投入」という言葉は自らの指揮命令で人を動員するときに使う言葉なので、ボランティアをコマのように扱っているとみられるだろう。
⇒26日(木)夜・金沢の天気 はれ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます