さきほど近くのスーパーに行って来た。きのう家族から、いつも買っている石川県産のコシヒカリが品切れになっていると聞き、そんなバカなコメは余っているはずだろうと思い、コメの販売コーナーを見に行った。確かに、棚にはコメはなく、「お客様へ」と書かれた札に「令和5年度、ひゃくまん穀の精米が今期分、終了しました。新米が出るまで品切れとなります。宜しくお願いします。」と記されていた=写真=。隣県産や他の品種のコメは別の棚に若干あった。
昭和20年代生まれのシニア世代にとって、コメは生産過剰というイメージがある。パンや麺など食文化の多様化などから、毎年10万㌧のペースでコメの消費が減っていると言われてきた。このため、農水省はコメの生産農家に補助金をつけて転作を促すなどしてきたはずだ。それなのになぜ、いまごろ「コメが品切れなのか」と納得いかなかった。
ネットでいろいろ検索してみると、さまざまな要因が重なってコメ不足に陥っているようだ。2023年の収穫量は前年比1.4%減の661万㌧となり、過去最少だった。それに拍車かけたのが昨夏の猛暑による「高温障害」だ。気温が日中で35度、夜間で30度を超えると、イネにこの障害が発生する。イネの吸水が蒸散に追いつかず、枯れてしまう障害だ。去年は収穫後に高温障害で白濁したコメが大量にみつかった。コメどころの新潟県では被害が深刻だった(2023年8月18日付・新潟県農産園芸課「報道資料」など) 。
この高温障害に見舞われたコメは、炊けば普通に食べられるものの、見た目がネットリしておかゆのような感じで見栄えがよくない。コメの主成分であるデンプンの構造が変化して、水分を吸収しやすくなっているようだ。問題はことしの収穫だ。盆明けでも気温35度以上の猛暑日が各地で観測されている。気象庁はきのう19日、「高温に関する早期天候情報」を発表した。10年に一度レベルの高温が予想され、厳しい残暑が続く。これが、ことしのコメの収穫にどのような影響を与えるのか。
コメの品切れは金沢だけでなく、全国的に起きているようだ。1993年に記録的な冷夏でコメ不足となり、「平成のコメ騒動」という社会・経済不安をもたらした。ことしの酷暑は「令和のコメ騒動」を起こすのか。
⇒20日(火)午後・金沢の天気 くもり
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