旧統一教会の被害者救済を図る法案について、きょう参院消費者問題特別委員会で参考人質疑が行われた。NHKニュースWeb版(9日付)によると、「小川さゆり」の名前で被害を訴えている宗教2世の女性は「裁判で実効性を伴うのか検証するとともに、見直し期間を1年にし、検討部会を今すぐ立ち上げてほしい。最大の積み残しは子どもの被害が全く救済できないことだ。新法は献金の問題を解決しようとするものだが、問題はそれだけではない」と指摘し、「これだけ悪質な団体が活動の一時停止もなく、税制優遇を受けていることはあってはならない。政府として責任を果たし、早急な対応をお願いしたい」と訴えた。
小川さんの意見陳述の全文が朝日新聞Web版(9日付)で掲載されている。驚愕する内容だ。以下。
「幼少期から学生時代にかけて、貧しい暮らしを強いられ、親戚からのおこづかい、お年玉をもらっても没収され、親からも当然ありませんでした。誕生日、クリスマスプレゼント、小学校の卒業アルバムなどはお金がないため、買ってもらえませんでした。
服はお下がりで、美容院等へは行かせてもらえず、小学校1年生の頃から見た目のまずさからいじめに遭いました。20歳の成人式にいたっては興味がないと言われ、してもらえませんでした。
両親が親戚中を勧誘したり、お金を要求したり、そのことで怒られているところも見てきました。また、高校生から始めた5年間のアルバイト代200万円ほどの給与も没収され、一度も返ってきませんでした。
両親はこのような生活状況にもかかわらず、私たちきょうだいに一切相談なく、教会への高額な献金を繰り返してきました。そういった献金につながる教育は幼少期から強制的に行われていきます」
さらに強烈な証言を小川さんは発している。以下。
「礼拝ではサタンや天国地獄を使って脅す教育を受けます。私は18歳の頃、統一教会の公職者からセクハラを受け、その理由はあなたに悪霊がついているからだと言われて韓国の清平に除霊をしに行きますが、そこで精神崩壊する信者さんたちを複数見て自分も精神が崩壊して精神疾患を負い、精神病棟に入院しました。
退院後も、うつ症状とパニックを起こして救急車で複数回運ばれました。またもう一度入院もしました。そんな中、両親は協会活動を平然と続け、当時体調を崩し引きこもっていた私のことを家にお金も入れないでいつになったら働いてくれるのかと、お金のアテにしか思われていなかったことを知り、限界を感じ、家を出た後に脱会しました」
信教の自由という名目の搾取、ネグレクト、信仰的強制を小川さんは強いられていたことが実によく分かる。この宗教団体の信者の家庭内ではこのような事例が数多く報告されている。これを信教の自由と言うのか。まさに民主主義が問われている。法案は、あす10日の委員会で可決されたあと、参院本会議でも採決が行われて可決・成立する見通しとなっている。
(※写真は、バチカン美術館のシスティーナ礼拝堂のミケランジェロの天井壁画『最後の審判』=撮影:2006年1月)
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