今年も「しし座流星群」の季節がやってきます。
しし座流星群と言えば、約33年ごとに流星雨を降らせることで有名ですね。
1966年にはアメリカで1時間あたり15万個という凄まじい数の流星が見られたそうです。
小~中学生の頃、図鑑や天文関連書籍等で、そういった過去の流星雨記録を知って以来、
数え切れないほどの流星が乱舞する光景を是非とも自分の目で見てみたいなぁーと思い
続けてました。
時は流れて1998年の春、しし座流星群の元になる粒子状物質をばら撒いている母彗星の
テンペル・タットル彗星が33年ぶりに太陽に最接近し、11月には1時間に数千個の流星雨
が期待できるかも?との噂が流れ始めます。彗星が地球の軌道を横切ってからの日数が
少ないほど、流星物質の濃くなった所を地球が通過することになるはずなので、流星雨の
現れる可能性も高くなるとの予測からです(現在はそれほど単純ではないことが分かって
います)。出現ピークは、地球が彗星軌道に最も近づく11月18日午前4時の予想。この年は
幸運にも月明りの影響がないとのことで、夏頃から期待感がどんどん高まっていきました。
そして首を長ーくして待っていた予想極大前日の11月17日、仕事はPM半休にさせてもらい、
早めに富士山麓方面を目指して出発。しかし、夕刻になるにつれて雲が増え、天気予報も
夜は曇るでしょうとのこと。仕方ないので北上して晴天率の高い八ヶ岳方面へ進路を変更。
晴れ間の見える場所を探して彷徨った挙句、長野県川上村にて迎え撃つことにしました。
移動中に聞いていたラジオのニュースや天気予報は流星群の話で持ちきり。天気概況に
よると、強い冬型の気圧配置の影響で日本海側を中心に雲量が多く、晴れている地域は
関東甲信地方では内陸部が中心とのことで、観測地選択は概ね当たりだった模様。
いざ、日付が変った頃から流星数を数え始め、0時台15個、1時台20個、2時台39個と順調に
増えていきましたが、3時台には41個と伸びず、流星雨のレベルには程遠い状況でした。
夜明けが近づく4時台になっても流星乱舞は現れず、この状況から突然増えたりするのか?
と疑念を持ち始めた頃、しし座の南にあるうみへび座の頭部付近から西へ向って閃光が
走りました。目を閉じると残像が残るほどの明るい大火球の出現です。4時14分でした。
空の明るい都心でも見えたらしく、某ラジオ局の深夜番組で、外に出て流星群のレポート
をしていた若手男性アナウンサーが「何だ今の! スッゲー、ロケット花火みたい!」など
と叫んでいたのが印象的でした。関東甲信~東海地方で多くの人が目撃したようです。
これが流星雨のプロローグかと期待したものの、出現数が大幅に増加することはなく、
4時台に数えたのは59個止まりでした。5時になっても状況は変らず、ラジオのニュース
でも数千個以上流れるなんて予想は大ハズレだったんじゃないかと伝えられ始めました。
そして東の空が白み、日本全国がしし座流星群で沸きかえった夜が明けていきました。
ということで、残念ながらこの年には流星雨は見られませんでしたが、明るさにして
-6~-7等級と見積もられた大火球に遭遇できたのは幸運だったと思います。
で、その大火球は撮影していたカメラの写野にも運良く入ってくれました。
撮れた画像はこちら(↓)
【しし座流星群1998】
銀塩一眼レフカメラ+35mm広角レンズ使用 1998年11月18日撮影(8画像合成)
※画像をクリックすると、大きい画像が別ウィンドウで開きます。
なお、この年は大西洋のカナリヤ諸島で1時間に2000個の流星が観測されたことが後で判明
します(ただし、複数の観測者による合算流星数だった模様)。日本時間では17日の真昼間
の出来事でした。その情報がまだネット上に残ってます(↓)
http://www.astroarts.co.jp/news/1998/11/981119leophoto/index-j.html
http://news.local-group.jp/naoj_news/220.html
コメント
あなたのブログにコメント投稿されたものです。
- キャンディ☆ [2012年6月28日 19:28]
- 初コメです!!
実は、私、この1998年に生まれたんです!!
しかもしし座なんです!!
ブログを読んで私の生まれた年にこんなことがあったんだなぁ~、と感動しました。 - fornax8 [2012年6月28日 23:46]
- キャンディ☆さん、はじめまして。古い記事にコメントしてくれてありがとう。
1998年はちょっとした流れ星フィーバー(死語)になったんですよ。
記事で取り上げた大火球は、史上最も大勢の人に目撃された流れ星と言われてます。
13年半も経つと、もはや伝説ですね。