Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
3/24 土星の環が消失(見掛け上)

GW中に撮れた彗星(2022/05/03)

2022-05-09 18:20:01 | ほうき星

前記事のとおりパンスターズ彗星(C/2021 O3)は残念なことになりましたが、
それを狙った日に同じ西天で観測可能な2つの彗星をパパラッチしました。

1つめはこの短周期彗星。


【ボレリー彗星(19P)5/3】
 総露出時間3分(30秒×6コマ,加算メトカーフコンポジット)

公転周期6.85年の短周期彗星で、1904年にフランスの天文学者が発見して以来、
17回目の回帰となります。2月初旬に9等台まで明るくなり、今は減光中ですけど
まだ10等台をキープしているらしく、露出時間が短かくてもしっかり写りました。

2つめはこの彗星。


【アトラス彗星(C/2019 L3)5/3】
 総露出時間5分(30秒×10コマ,加算メトカーフコンポジット)

3年前の6月10日に発見された新彗星で、今年1月上旬の近日点通過(太陽最接近)から
かなり経つのでやはり減光してきていますが、まだ10等前後の明るさを保っていて、
淡く広がる薄緑色のコマが確認できるイメージになりました。
ちなみに、この彗星は双曲線軌道を辿っているようなので、この先は太陽系外へ去って、
もう2度と戻ってくることはないようです。

なお、共通撮影データは次のとおり。
 キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,フィルター無し,
 1.6倍クロップ撮影,タカハシEM-200Temma2M赤道儀,恒星時追尾,トリミングあり

現在観測可能な彗星のリストによると、日本で見られる彗星としてはこの2つが明るさで
ツートップのようなんですが、一般の方が眼視観望で楽しめるようなものではありませんね。
普通の彗星ってこんなのばかりなので、あの有名な永遠の5歳女児の言葉を借りれば、
「つまんねーヤツだな~」って感じです。あるいは「ボーっと光ってんじゃねーよ!」って
言いたくなってしまいます。