近日点通過(太陽最接近)後の紫金山・アトラス彗星を八ヶ岳山麓某所にて撮影しました。
【紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)10/02】
キヤノンEOS Ra+SAMYANG135mmF2 ED UMC,F2.8,ISO1600,L41フィルター,1.6倍クロップ,
露出1秒×50コマ(Sequatorにて地上風景フリーズ合成),三脚使用(固定撮影)
薄雲やモヤが発生して条件的にはあまり良くない状況でしたが、長い尾を伸ばした姿を
捉えることができました。で、頭部を等倍トリミングしたのがこちら。
彗星核近傍は白飛びするくらい明るくて、消滅する可能性が考えられるという専門家の
事前予想に反し、近日点通過後も元気な印象です。なお、撮影中に肉眼で見えるか否か
目を凝らして見ましたが、残念ながら確認できませんでした。一方、口径5cmの双眼鏡を
使って見たら、2~3°ほどの長さの尾を伸ばしている姿がはっきり確認できました。
ちなみに世界各地からの観測情報を集計しているサイトを見ると、1等台の光度の報告が
多くなってます。今後は太陽から遠ざかっていきますが、地球との距離は縮まってくる
ので、まだしばらくは光度上昇が期待できるかもしれません。
さて、夜明け前の東天に見えるのはあと2~3日くらいとみられ、来週末あたりからは夕方
の西空低くに見え始める見込みです。ダストテイルが目立つ彗星であるせいか、ダストの
粒子が太陽光を前方散乱させることで、今後は急激に明るくなるという嬉しい予測もあり、
楽観的には最大でマイナス5等に達するのでは?なんていう噂も出てきてます(但し、地球-
彗星-太陽との位置関係の問題により、最大光度になる頃は地上からの観測が無理な模様)。
逆に消耗が激しくて、ダストの放出量が減少してしまうと減光に転じる可能性もゼロでは
ないような気がします。
ということで、夕方の西空に回ってからも、どんな姿を見せてくれるのか要注目です。
今度は西の方角が開けている観測適地を検討しないといけないなぁ・・・