ポンス・ブルックス彗星を撮影した金曜日の夜、その他の彗星を2つほど撮影していました。
1つ目は3年前に発見されたこの彗星。
【ZTF彗星(C/2020 V2)】
総露出時間24分(2分×12コマ,加算メトカーフコンポジット)
ZTF彗星というと今年の1~2月に肉眼で存在確認できる明るさになった彗星を思い出しますが、それとは別物です。
6月あたりからずーっと観測好期となっていたにも拘わらず個人的に見落としていて、今回が初撮影となりました。
信頼スジによると光度は約11等。あまり明るくないのにそこそこ長めの尾を伸ばしていて驚きました。
旬は過ぎているので今後は暗くなる見込み。急速に南下中で、日本から観測できるのは12月前半までとみられます。
なお、双曲線軌道を辿っているようなので、もう2度と戻ってくることはない類の彗星です。
もう1つは、さらに暗いこの彗星。
【モーリー・アタール彗星(C/2021 X1)】
総露出時間8分(2分×4コマ,加算メトカーフコンポジット)
昨年12月に発見された彗星で、今年の5月に近日点(軌道上の太陽最接近点)を通過済みです。
途中で曇られて撮影のコマ数が稼げなかったのが残念。
こちらの予報光度は約14等と暗めながら、一丁前に短くて淡い尾を伸ばした姿が捉えられました。
光度的に旬の時期を迎えてますが、太陽にも地球にもあまり接近しないまま、今後は次第に暗くなっていく模様。
なお、この彗星も双曲線軌道を持っているらしく、太陽系内部への侵入はこれが最初で最後と思われます。
いずれも眼視で楽しめる彗星ではなく、写真でも見映えが良いとは言えませんねぇ。
彗星って実はこういうのが多くて、肉眼で見えるような大物は滅多に出現しないんです。
でも来年は明るくなりそうな彗星が複数あるので、ちょっと楽しみにしています。
共通撮影データは次のとおり。
キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO3200,STARRY NIGHTフィルター,1.6倍クロップ,
タカハシEM-200Temma2M赤道儀,口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,トリミング,新潟県十日町市にて
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