Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 9/5夕 西の低空で月と金星が大接近

来年期待の周期彗星が急増光

2023-07-27 22:50:55 | ほうき星

7月24日の夜に撮影したもう1つの彗星がこちら。


【ポンス・ブルックス彗星(12P)7/25】
 キヤノンEOS Ra+タカハシFSQ-85EDP+レデューサーCR0.73×,F3.8,ISO3200,1.6倍クロップ,
 総露出時間40分(2分×20コマ,加算メトカーフコンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,等倍トリミング

ど真中に写っている丸いヤツがターゲットの彗星です。前記事で紹介したアトラス彗星(C/2023 E1)と比べると
遠方にいてモーションが小さいため、彗星の動きに合わせたコンポジットでも背景の星はあまり流れてません。

この彗星は1812年7月にフランスの天文学者ポンスが最初に発見し、公転周期70.68年の楕円軌道を持つと計算され、
次の回帰年と推定された1883年に米国の天文学者ブルックスが偶然発見した彗星が同一天体であることが判明し、
連名で呼ばれることになった周期彗星です。非常に有名なハレー彗星(周期約76年)とほぼ同等の公転周期を有し、
一生に2度見ることができたら物凄くラッキーな周期彗星の一つです。

で、ブルックスによる再発見から71年後の1954年には、また太陽に近づいて無事に再観測された記録があります。
さらにその次の回帰が来年4月に巡ってくる予定で、既に米国の天文台にて2020年6月に再検出済でした。
アマチュアでも捉えられるようになったのは今年に入ってからとみられますが、4月で18~19等台とかなり暗く、
今月中旬になってもまだ地球から遠いせいか16等台と、容易に確認できるレベルの明るさではありませんでした。
ところが、20日ごろにアウトバースト(急増光)し、なんと5等級も明るい約11等で観測されるようになってます。
当初は自分の機材での初観測は今秋くらいかなぁーって思っていたら、早くも今週捉えることができました。
上の画像をさらに拡大すると・・・

面積的に広がっているような姿が確認でき、北(上)側に2つツノみたいなのが伸びているのが分かります。
何やらネコの頭みたいなイメージで面白い恰好になってますねぇ。このような姿は世界中で捉えられていて、
ミレニアム・ファルコン号に見立てる人もいるようです。視直径は日毎に大きくなっているらしいので、
今後の形状変化に注目が集まるでしょう。
また、来年の最盛期には4等台まで明るくなるとの当初予想に対し、光度上振れの兆候であれば嬉しいですが、
このような早期の急増光が吉と出るか凶と出るか、今後の成り行きに興味津々です。



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