Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
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デュオバンドフィルターを使った星雲実写テスト

2025-03-03 09:32:36 | 撮影機材

過日、輝線星雲撮影用のフィルターを購入。CMOSカメラ用に販売中のデュオバンド
フィルターっていうヤツで、普通のカメラレンズを装着した状態でも使いたかった
ので、キヤノンEFレンズに対応したマウントアダプターで内部に48mm径フィルター
がワンタッチで装着できるドロワー付きのものを一緒に入手したのでした。

とある寒い日の夜、近場にてオリオン大星雲を狙って撮ったテスト画像がこちら。


【オリオン大星雲 M42,43】
 ZWO ASI585MC+SAMYANG135mmF2 ED UMC,F2.8,Gain252,ZWO社DuoBandフィルター,
 総露出時間15分(30秒×30ライブスタック),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 恒星時追尾,東京都八王子市某所にて

CMOSカメラ搭載センサーのサイズが小さいので、焦点距離135mmレンズでも結構
な拡大率で写ってます。調べたら35mm判フルサイズ換算で500mmの超望遠レンズ
とほぼ同じ写野でした。光害地での撮影にも拘わらずバックがあまり明るくならず
に星雲がコントラスト良く写ったのは、輝線星雲の発するHα線(波長656nm-赤色)と
Hβ線(波長486nm-青色)とOⅢ線(波長496/501nm-緑色)の光を選択的に透過
する一方で市街光の大部分をカットするフィルター特性のお蔭です。HβとOⅢの
両線の波長は接近しているので、フィルターの透過波長帯域はその部分で連続的に
なって1つに纏まっており、長波長側に離れたHα線帯域と合わせて2つの透過域を
持っていることから"DuoBand"と称しているようです。
で、得られたイメージを見ると、星雲がHα光由来の赤色一辺倒って感じのイメージ
になってしまったので、個人的な好みの色調となるようにレタッチしてみた画像が
コレです。

バックに対しては緑色カブリを抑え、星雲に対しては青色をかなり強調するような
補正処理をしてみたところ、概ね見慣れた色合いに近づいた感じです。フィルター
の特性により黄色や橙色の光がバッサリ落とされていることになりますが、意外と
違和感のないイメージに仕上がったような気がします。

ちなみにノーフィルターで撮影すると・・・


(撮影条件は最初の画像と同じ)

やはりバックが明るくなってしまいましたが、輝線星雲ではない反射星雲の領域が
割と淡い部分まで写ってる感じです。その一方で、赤色のトーンは弱まった印象が
あって、その辺は概ね予想どおりでした。なお、恒星像が肥大化してしまったのは
フィルター無しの状態だと光学的なフランジバック長が合わなくなったせいだろう
と思われます。レンズのフォーカスリングの可動範囲内で星像が最小となるように
ピント合わせをして撮ってはいるんですけどねぇ。同一厚みのクリアフィルターを
入れないと正確な描写比較はできないとみられますが、フィルターの有無で星雲の
色調に結構違いが出ることは確認できました。



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