今週の半ばに伊豆半島某所まで出掛け、70年ぶりの回帰で話題になっているポンス・ブルックス彗星を久々に撮影。
【ポンス・ブルックス彗星(12P)02/28】
キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO800,STARRY NIGHTフィルター,
総露出時間15分(1分×15コマ,加算メトカーフコンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,トリミングあり,静岡県沼津市にて
日没後の西の低空にあって捉え難くなってますが、昨年12月8日に狙って以来、約12週間ぶりに撮影できました。
前回の撮影時と比べると地球にも太陽にも接近してきたので、明るくなるとともに頭部のコマが大きくなっていて、
彗星っぽい美しい青緑色の姿に変わってました。淡いながらイオンの尾が上方やや左に伸びているのも分かります。
予報光度は7等程度でしたが、実際には若干明るい約6等に達している模様。口径5cmの双眼鏡でも存在確認が可能で、
同じ空に見えていたアンドロメダ大銀河(M31)よりは暗いですが、さんかく座銀河(M33)よりも明瞭に見えました。
尾はさすがに確認できませんでしたが・・・
この先もしばらく日没後の西空低くに見え続けますが、日本では日没が遅くなっていくことと春霞の影響も考慮すると
観測好期は4月初旬くらいまでとなりそうです。なお、西~北西がかなり開けた場所でないと観望/撮影は困難です。
天文ファンの注目点としては著名な天体との見掛け上の接近で、まずは今月10日にアンドロメダ大銀河へ角距離にして
9度弱まで近づきます。その様子をシミュレーションすると・・・
AstroArts社ステラナビゲータにて作成(紫色の枠は35mm判フルサイズセンサー搭載カメラ+135mmレンズの写野)
彗星の予報光度は6等ほどですが、既に上振れしているので5等台まで明るくなっている可能性があります。
また、23日にはさんかく座銀河に3度程度まで接近します。その様子はこんな感じ。
AstroArts社ステラナビゲータにて作成(紫色の枠は35mm判フルサイズセンサー搭載カメラ+300mmレンズの写野)
この頃の彗星は4等台の明るさに達しているかもしれません。これは結構フォトジェニックなシーンになりそうです。
さらに4月に入ってからは、こんな光景も見られます(10日の日没後)。
AstroArts社ステラナビゲータにて作成(紫色の枠は35mm判フルサイズセンサー搭載カメラ+200mmレンズの写野)
なんと木星と細い月の間に彗星が位置する状態になります。但し、この時の彗星は薄明終了時の地平高度が5度程度と
低いです。そのため撮影/観望についてはかなりハードルが高くなりますけど、是非狙ってみたいシーンではあります。
いずれにしても天気次第ということになりますが、今年は季節先取りの気候になっていて、3月後半から4月初旬に
訪れるはずの菜種梅雨が2月にもう来てしまったような話もあるので、好天に恵まれることを期待したいです。
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