図書館まで歩く途中で、ふと思い出しました。
そう言えば、1年半ほど前はバイトをしてたんだっけ。みんな今頃どうしてるかな?
勤めていた2年弱の間に、正社員が転勤したり、バイトの人がやめたり、新しい人が入ってきたり、ずいぶん人が動きました。
いろいろな人の顔が浮かびます。頭の切れる兄やんとか、世話焼きおばちゃん風のパートさんとか。仲のよかった人も、苦手だった人もいました。何人もの名前を、まだフルネームで覚えていました。
あ、あの人は何て名前だったっけ? えーと、えーと……
名前が出てきません。たしか「村」が付いたような気がします。
村瀬さん? 違う。
村田さん? 違う。
村山さん? 違う。
村岡さん? 村井さん? えーと、えーと……
顔は覚えているのですが、名前が出てきません。
えーと、えーと……
その人の名前を思い出したのは、実に3日後のこと。図書館まで歩いているときでした。何度も会ったはずの人が簡単に記憶の底に埋もれてしまうのは、ほとんど人間に興味がないからでしょうか。
そう言えば、1年半ほど前はバイトをしてたんだっけ。みんな今頃どうしてるかな?
勤めていた2年弱の間に、正社員が転勤したり、バイトの人がやめたり、新しい人が入ってきたり、ずいぶん人が動きました。
いろいろな人の顔が浮かびます。頭の切れる兄やんとか、世話焼きおばちゃん風のパートさんとか。仲のよかった人も、苦手だった人もいました。何人もの名前を、まだフルネームで覚えていました。
あ、あの人は何て名前だったっけ? えーと、えーと……
名前が出てきません。たしか「村」が付いたような気がします。
村瀬さん? 違う。
村田さん? 違う。
村山さん? 違う。
村岡さん? 村井さん? えーと、えーと……
顔は覚えているのですが、名前が出てきません。
えーと、えーと……
その人の名前を思い出したのは、実に3日後のこと。図書館まで歩いているときでした。何度も会ったはずの人が簡単に記憶の底に埋もれてしまうのは、ほとんど人間に興味がないからでしょうか。