陽は既に落ちています。西の地平に浮遊する残り香のようなオレンジ色に、人工的な四角い建物が黒い切れ込みを入れています。オレンジ色の残り香も、ほどなく夜の町に沈殿してしまうでしょう。グラスの中で溶け切れなかった砂糖が沈むのと同じように。
夜の道には生暖かい空気が沈み、肌にまとわりつきます。まだ夏が居座り続けています。鈍色の空気を押しのけるようにスーパーに向かいました。
「食パン買ってきて」
閉店前の投げ売り狙いで、食パンが1斤70円より安くなっていたら買ってきて欲しいと頼まれていました。
図書館からの帰りに駅近くのスーパーに寄るも、値札は70円のまま。パンは棚に大量に残っています。朝と午後の二度豪雨に見舞われたせいで客足が鈍ったようです。
別の売り場で10分ほど時間を潰して再びパンを見るも、やはり70円のまま。パンの数はほとんど変わっていません。予算オーバーにつき、パンは買わずじまい。
そういえば、こんなことも言ってたな。
「ついでに好きなもの買ってきていいよ」
じゃ、3000円の国産ウナギのかば焼きでも買って帰ろうか。
夜の道には生暖かい空気が沈み、肌にまとわりつきます。まだ夏が居座り続けています。鈍色の空気を押しのけるようにスーパーに向かいました。
「食パン買ってきて」
閉店前の投げ売り狙いで、食パンが1斤70円より安くなっていたら買ってきて欲しいと頼まれていました。
図書館からの帰りに駅近くのスーパーに寄るも、値札は70円のまま。パンは棚に大量に残っています。朝と午後の二度豪雨に見舞われたせいで客足が鈍ったようです。
別の売り場で10分ほど時間を潰して再びパンを見るも、やはり70円のまま。パンの数はほとんど変わっていません。予算オーバーにつき、パンは買わずじまい。
そういえば、こんなことも言ってたな。
「ついでに好きなもの買ってきていいよ」
じゃ、3000円の国産ウナギのかば焼きでも買って帰ろうか。