みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

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小説「対岸の彼女」

2011年08月24日 23時25分10秒 | 明日への一歩
小説を手に取りました。

「対岸の彼女」(角田光代著)

選んだ理由は、私自身とよく似た人物が登場するかも知れないと思ったからです。私とよく似た人物が登場するかどうかは読んでみなければ分かりませんが、読まないことには何も始まりません。

私の心の中では、感情の周りを城壁が取り囲んでいます。私は他人の気持ちをくみ取ることも苦手なら、自分の感情を表現するのも苦手です。強い感情が絡んでくると、その感情をシャットアウトしたくなります。

今の私はふたつの課題を抱えています。

  • それなりに他者の感情をくみ取れるようにならなければいけない。

  • それなりに自分の感情を表現できるようにならなければいけない。

精神科の医師に相談したところ、自分とよく似た人物が登場する小説や映画を探して、その人物を演じてみることを提案されました。何か突破口が見つかるかも知れません。

その第1歩として手に取ったのがこの小説です。

引っ込み思案な高校生の葵 (あおい) と、何事にも動じずに「こわくない」と言い切るナナコ。小さなきっかけで友達になったふたり。このふたりの関係は、何だか私と大阪の女友達Sの関係にそっくりです。そんな共感も手伝って、小説の世界にのめり込み、のめり込み……

朝を迎えました。寝る前に少し読もうと手に取って、そのまま読みふけって、完徹してしまいました。

とにかく情景描写が圧倒的。登場人物の目に入る光景ひとつひとつにその人物の心情を丁寧に投影し、読者の胸の中にありありと再現していきます。私なぞ足元にも及ばないどころか足元に近寄らせてももらえないほどの超絶的な表現力。さすが作家は違う……と、技法にばかり目を奪われてもいけません。

途中のストーリー展開が急で、まだ登場人物の心理の変化についていけません。特に、ペンションでのアルバイトを終えた後、ナナコと行動を共にする中での葵の変化と、ラオスでの事件の後、小型トラックを停車させて足を踏み出すまでの葵の変化が急で、まだ私の中で消化できていません。

もっと読み込みましょう。

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