D70s with SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro thru Kenko Pro1D Protector (W), Manual exposure (F=3.8, SS=1/13s), ISO1600, WB=Sunny (+0), f=38mm (35mm-equivalent: 57mm), Grayscaled
毎月1回の蔵出し企画として、1年前に撮った写真を振り返っています。1年前に撮った写真を見返して、撮影スタイルや趣向の変化をたどります。今回は、2006年12月に掲載した写真から10枚選びました。
1枚目は、京都の二年坂で撮った夜景。食べ物屋さんの前に人だかりができて楽しそうな雰囲気だったので、放射状に伸びる影と石畳の道の奥行き感を画面に入れつつ撮ってみました。
D70s with SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro thru Kenko Pro1D Protector (W), Manual exposure (F=3.8, SS=1/13s), ISO1000, WB=Sunny (+0), f=34mm (35mm-equivalent: 51mm)
この写真も二年坂のにぎわいを撮ったもの。土産物屋を冷やかしながらそぞろ歩く観光客に温かみを感じて撮りました。
京都を訪れたときは、観光ガイドに載っているような写真に興味はなく、いわゆる定番スポットの写真は一応押さえておく程度でした。
過去には、定番スポットを中心に押さえた記事もたくさんありました。特に、2年ほど前の鳴門・高松旅行のときは、私の足取りをそのままたどってブログを書きました。鳴門・高松旅行は、初めてブログに載せた旅行でした。
当時は、「あ、いいな」と思うたびにデジカメを構えて、多くの読者と時間を共有しているように感じながら旅行していました。
今回紹介する写真を見てみると、既に1年前には見方がずいぶん変わっていたことが分かります。
この頃は、「いいでしょ」と訴えかけてくるものに まるで興味がなくなっていました。「きれいだね」という感想を要求されているようで、押し付けがましさや媚 (こび) を感じ、遠ざけていました。そして、媚びないものを撮ったり、期待通りの見方を避けたりするようになりました。
反抗期ってやつでしょうか。
D70s with SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro thru Kenko Pro1D Protector (W), Manual exposure (F=4.5, SS=1/40s), ISO200, WB=Cloudy (-1), f=17mm (35mm-equivalent: 25mm)
そのような考え方が進み、あえてお金を払って観光施設に入ろうとはしなくなりました。京都を訪ねたときも、当初の予定では哲学の道から二年坂・三年坂をぶらぶら歩くつもりでした。
そんな心づもりでいても、実際には予定通りに事が運ぶはずもありません。並木は既に落葉していました。同行している母を退屈させるわけにもいかないので、銀閣寺に入ることにしました。
それでもやっぱり反抗期。銀閣寺でも、お仕着せの視点には反発してしまいます。
D70s with SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro thru Kenko Pro1D Protector (W), Manual exposure (F=5.0, SS=1/80s), ISO200, WB=Cloudy (-1), f=17mm (35mm-equivalent: 25mm)
観光客が素通りする場所で立ち止まったり、後ろを振り返ったりしながら、何気ない光景を切り取ったものです。
ものの見方が転換し、写真の撮り方も変わりましたが、読者に楽しんでもらうことを大切にするスタンスはブログ開設当初から変わっていません。今でも、写真を撮るときには、一緒に歩く途中でふと立ち止まり、しばらく同じ景色を眺めて一言二言感想を交わし、また歩き出すような感覚を持っています。
このブログをどんな人が読んでいるかは分かりません。分かりませんが、読者との一体感は大事にしています。一体感がなくなったら、きっと写真を撮らなくなるでしょう。
D70s with SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro thru Kenko Pro1D Protector (W), Manual exposure (F=2.8, SS=1/30s), ISO200, WB=Sunny (+0), f=17mm (35mm-equivalent: 25mm)
古都とはいえ、京都も人の住む町。現代的なお店もあります。黒い窓枠とオレンジ色の光が大人っぽい。
こういうシーンには、華やかさと動感と落ち着きが調和するアングルがどこかにあります。そこを探すのが広角の楽しみ。
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