みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

略してみちゃばこ。泣いたり笑ったり

クチナシのほほえみ

2012年06月25日 22時41分11秒 | 草木をめでる
たまご形のつぼみから、青い筋を割って小さな空間が開く。

噴き出した白い花びらは、互いにねっとりと絡みつき、身を丸めてのたうち、えびぞりになって折り重なる。

バニラアイスにメープルシロップをかけたような甘ったるい香りが、どろりと流れ出す。

近づくものを包み込み、琥珀 (こはく) として固めて、追憶の地層深くに埋めてしまう香り。

陶酔も、後悔も、日常も、犯罪も、この世界に漂うありとあらゆるものを琥珀色の至福の中に固めて、木の根元に沈めてしまう。

クチナシの木の根元には、そうして失われた記憶が数知らず眠っている。

気がつけば、私も記憶をひとつ失ってしまっていた。

その記憶はまだクチナシの木の根元に転がっているはずだが、どの琥珀が私の記憶だったのか、もう定かではない。

あと千年もすれば、その記憶もきっと、このクチナシの甘い香りとなって、また白い花びらのすき間から流れ出すのだろう。

レッスン前のお買い物

2012年06月24日 21時59分39秒 | キレイのために
レッスンに出る前に時間を作って、お買い物をしました。

狙いは、安くなり始めた初夏の服。特に流行を追った服でなければ、シーズンから外れた頃に安く買えます。近所のお店ではパッとしないアイテムばかりだったので、都心のお店で探すことに。

去年レッスン帰りに寄ったお店に入ると、狙いどおりセール中! 胸元にも裾にもレースがいっぱいの七分袖カットソーが半額です。今の時期はまだ肌寒い日があり、毎日の服を完全に半袖に切り替えてしまうのはためらいます。

今すぐに活躍するなら、絶対に押さえておくべし!

この色でいいかな? こっちの色のほうがいいかな?

手持ちの服と色の組み合わせを考えながら、あーでもない、こーでもない……

レッスンまでの30分間を目いっぱい使ってお買い上げ。たまにはお買い物でわくわくしないとね。

今日の野外学習 (マルバマンネングサ)

2012年06月23日 16時08分00秒 | 草木をめでる
マンネングサ発見!

黄色い星形の花は、どの種類のマンネングサにも共通しています。ひとつひとつの花は小指の幅ほどの小ささですが、道路わきに固まって咲いていると結構目立ちます。

flower126A2.jpg: マルバマンネングサ

この子はぷくぷくと葉っぱが丸いから、マルバマンネングサ。この前はメキシコマンネングサを見つけたっけ。

草というよりコケに似た姿が愛嬌 (あいきょう) たっぷり。

映画「八日目の蝉」が地上波に!

2012年06月22日 16時30分33秒 | 明日への一歩
5月末に、小説「八日目の蝉 (せみ)」(角田光代 著、中公文庫) を手に取りました。3日ほどで読み、大きく心を揺さぶられました。読んでいる途中で涙があふれる場面が何箇所もあり、読み終えてからも涙が止まりませんでした。

小説の余韻は大きく、何度も何度も読み返しました。今でも毎日手にとっては読み返し、掘り下げて読み込んでいます。読み返すたびに涙があふれてきます。愛するとはどういうことか。生きるとはどういうことか。私の思考や行動も変わりました。小説を読んだ感想をまとめてブログに書こうと思っているのですが、多くの要素が重層的に絡み合っており、感想の整理に時間がかかっています。

小説の感想はおいおい公開するとして、この小説をもとに製作された同名の映画が、今日地上波で放送されます。小説を読んだ直後とは、絶妙なタイミング!

映画は1年ほど前に公開されたようです。当然、その頃に映画とともに原作の書籍が大々的にPRされ、新聞紙面にも大きな広告が掲載されたはずですが、そのような広告を見た記憶はありません。私はベストセラーや映画化という宣伝文句をまったく無視して本を読むので、気がつかなかったのかも知れません。

原作に感動した直後ということもあり、今晩の映画が楽しみです。

ただし、映画では原作のストーリーがかなり省略されてしまうのでしょう。小説は (文庫本で) 360ページに及びますが、映画は上映時間をせいぜい2時間から3時間に収めなければなりません。角田作品の醍醐味 (だいごみ) のひとつに、丁寧で繊細な情景描写・心理描写によって生々しい感覚が呼び起こされる点が挙げられます。映画の中では、その丁寧な描写もすっかり省略されるか、ほんの数秒のシーンとして撮影され、じっくり味わう前に次の場面に移ってしまうこともあるでしょう。

原作を踏まえて映画を見ると物足りないかも知れませんが、映画には映画の表現があります。原作の忠実な再現にこだわるのではなく、原作で表現しようと意図されたことを映像の世界に写像する (パラフレーズする) ことが重要なのです。そのために、いくつかのエピソードが省略されたり、改変されたり、まったく別のエピソードが挿入されたりすることもあるでしょう。原作の存在はひとまず置いておいて、映画そのものを新しいひとつの作品として楽しむことにします。

今晩が待ち遠しい。大泣きは必定。

教室に持ち込み

2012年06月21日 15時44分08秒 | デイリーお気楽グルメ
レッスンのときに教室に持っていくびわを取り分けました。人数が人数なので、こんな量になりました。ずっしりと、結構重いです。

大きくて色と形のいいものを選んで、傷がついていないものを選んで、枝を切り落として……

先生用には、特に品質のいいものを取り分けて、別の袋に入れておこう。

その場で食べるわけにもいかないし、持ち帰ってもらわなきゃ。人数分のポリ袋も用意しないと。

みんなで分配するためには、できるだけ小分けになってたほうがいい。いくつもの実が枝でつながってると、いかにも自分の家で採ったみたいに見えるけど、あまり大きなかたまりでも分配しにくい。バラの実も少し作っておこう。はさみを引っ張り出して、枝から実をチョン、チョン、チョン……

単に持っていくだけでも、いろいろと考えるものです。



2012年のびわ関連の記事の目次はこちら