エヴェレストの麓だと言われていた、ラフマニノフの「晩祷」
最後の演奏会にむけて、指揮の先生から、檄があった。
「自分が作曲した気持ちで」と。
エヴェレストの頂上どころか、登ろうとする気配のない団員への苦言と受け止めた。
エヴェレストを望むんでなく、自分で砂山を造れということと解釈した。
どのような砂山をイメージするか。
どの程度の砂山にするか。
初めての試練。
今まで、指揮者からのイメージを受け止めて、それをできるだけ、表現することしか
してこなかった。
オーケストラの人が、指揮者からの、要望は要望として、自分たちの演奏を確立したうえで
指揮者からの指示を受けているということは、最近知った。
いくつもの、合唱の練習をしてきて、様々な指導者と出会い、
指導の仕方の違いはあったものの、楽譜に書いてあることを忠実にということまでしか
考えてなかった。
「晩祷」に出会って幾年月。
初めて、対峙、する。