ヒトは、自分と少しでも違うところがある者を、差別やいじめの対象とする。
違うところを見つけて、優越に浸ろうとしているのか。
敏感に反応する者。
疎い者。
気にしない者。
様々だが、容赦のない攻撃が一番こまりもの。
残忍になれる者と良い人になれる者との差ってなんなのか。
差を見つけて自己防衛をしているのか。
身内に小さいころは、女の子っぽい兄弟がいた。
御祖母さんが、日舞の師範だったので、踊りを習っていたことがある。
5歳の七五三で、たまたま、踊りの発表会があり、5歳のこどもは、赤い着物を着て、長い髪のかつらをかぶって、お弟子さんたちの前で踊りを披露した。
踊りを終えると、かつらをスポット脱いで坊主頭で席に着いた。
その時のお客様の反応。
今でも覚えている。
そして、5歳の子どもは、もう一度かつらをつけて、七五三のお祝いに神社へ。
その時の神主さんの驚きの仕草を30年経った今でも忘れていない。
5歳だったこどもは、今は、たぶん普通の大人として、仕事に精をだしている。
晴着姿の可愛い七五三の写真は、小さな写真立てに入って、小首をかしげた少女のままにっこり微笑んでいる。
変な子と呼ばれて
吉永みち子
ちくまプリマ―新書
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