旧:鳳凰堂のランダムウォーカー <伏見の光>

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『チェ 28歳の革命』(原題:Che The Argentine)

2009-01-25 07:25:53 | 映画テレビメディア
『チェ 28歳の革命』(原題:Che The Argentine)

チェ・ゲバラ

映画のサイトはこちら


土曜日にレイトショーで見ました。レイトショーは1200円。割引で1000円です。

チェ・ゲバラについては、キューバ革命での伝説的な革命家というぐらいしか知りませんでした。映画を見るのであればwikipediaの内容程度には目を通しておいた方が楽しめるかと思います。

まず、この映画がハリウッドで撮られているというのが面白いなと思います。

革命後の国連での演説とかインタビューなんかをはさみながら、物語はキューバ革命が成功するまでのゲリラ戦を描いています。

もともと、これは4時間を超える大作だったようですが、映画としては2本に分けられています。

中盤から後半の戦闘シーンなんかは一気に見られる感じでした。役者さんはよく頑張ってると思います。

まあ、体力がなくて暑さに極端に弱い伏見の光にはゲリラ戦は無理です・・。

全体としては、「読み書きをおぼえろ」とか、敵の車をぶんどってきた仲間をどやしつけるとか、そこここに彼の、なんというか倫理性の高さのようなものが描かれているのは興味深かったですが、どうも史実を元にしてうわべをなぞっている印象があり、その人物の魅力の本質に迫れていないような感じがはがゆかったです。

無論、これはドキュメンタリーではなくて、史実をもとにした(「政府」軍の列車を転覆させたのしたのは実際にあったこと)つくりものの映画作品です。

が、このおっさん、本当はどんな奴だったのかなとか、「キューバ革命」というのはなんだったのかなとかいうのをあらためて考えさせられる契機にはなると思います。写真見るとかっこいいしね。

アメリカが国民に「借金させすぎて焦げ付いた」だけのことで、世界経済は右往左往状態です。じゃあ社会主義というのはうまくいったのかといえば、ソ連、東欧、中国、北朝鮮、どこもうまくいっていることはなく、既にその実験は失敗したように見えます。それは人間の本質に関わる問題に起因するものなのか、それとも権力の腐敗ということに起因するものなのか。両方なんじゃないかなと思います。

中国なんかは政治体制としては一党独裁で、政府自身が巨大なプレイヤーとして参加している市場主義経済でしょう。新大統領の登場に「熱狂」しているかのような報道を見ると、うらやましくもあり、怖くもなる以上に、中国には怖さを感じます。さらに言えば、それ以上にイスラムの価値観とか世界観は感覚的にわかりませんけど。

作品の中のインタビューシーンで「でもあなたも個人でしょう」と聞かれている場面があります。この「個人」は「人間」とおきかえてもいいかと思います。社会主義経済というのは「人間」の本質から考えて、やはり無理があるのではないか。

じゃあ、人間の欲望を剥き出しにしたような市場主義経済をそのまんまの形でおいておくのはいいことなのか。

「合理的」なシステムというのはやはり必要で、今はこれまでのシステムの修正を迫られる入り口にいるのかもしれません。なにについて、どこまでどうするのが「よい」ことなのか?。
正解はわかりません・・・。

とかいうようなことを考えていました。



コメント
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