ものすごくうるさくて、ありえないほど近い Blu-ray & DVDセット(初回限定生産) | |
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これはかなりきました・・・。
親父さんが911で亡くなって、その息子が父親が残した鍵を持ってそれに合う鍵穴を探していろんな人を訪ね歩くというようなお話ですが。まあ、この息子が、なんというか、「曲者」で面白いです。
別にこれは、911を持ってこなくても作品としては成り立つ普遍性があると思いましたけど、アメリカの映画ですから、よりリアルに受け止められるところがあるのかもしれません。
日本なら、津波で亡くなった人とその家族に同じような物語が成立しても不思議はありません。
つまりは、人は、家族をはじめとした「身近な人の死」、それも予期せぬ、また理不尽な、唐突な死をどう受け入れるのかというのが主題です。
息子にとっては、この鍵穴探しはしなければならないことだった。もしかしたら、これは具体的に探し求めていることが明らかにならないかもしれないけれど、それでもしないわけにはいかないことだった。
ただ心配しているだけに見えて、息子の母親はある行動をします。それはここでは書かないけれど、このことを通して得られた二人の経験の共有は、彼の父親の思い出も含めて、これから先に生きていくための「燃料」になるように思いました。
結局、それ、死の受け入れ、は自分が納得するような形でなされなければならない。そうできるとは限らないですが。
それは個人の内省的な経験なのでしょうか。そういう場合もあるでしょうが、やはり様々な人とのつながりということが大事になってくる場合が多いように思います。
私個人の最近の行動と関わっていえば、映画の中の息子が鍵穴を探し歩くのと、私がお寺巡りをして仏像を見たりするのとはちょっと似ているところがあるなと思いました。
前半、ちょっとしんどいですし、最後は「これはちょっとお話を作りすぎかな」と思うようところもありましたが、なかなかしみましたね、これは。