投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識 <1>
全部読みました。
予想どおり、なかなかいい内容でした。
非常にまっとうで、私自身のスタンスにも合ってます。
冒頭のところで、私(著者)にとって特に重要な書物として「敗者のゲーム」「バブルの物語」「まぐれ」の3冊を挙げてます。
「バブルの物語」は読んだことがないですが、他の2冊は読んでかなり面白かったもの、
とりわけ最近では「まぐれ」は出色の一冊でした。
まず、本書は市場の効率性について「完全に効率的、あるいは完全に非効率的な市場は存在しない、要は程度の問題である。」と書いています。
穏当でまっとうな見解だと思います。
そんなに簡単に相当程度に効率的な市場を出し抜けるはずはないと私自身は常々思っています。
と同時に、個々の株価の値動きが完全に効率的であるはずはありません。
どこかの大株主さんが何らかの事情で株を売却しなければいけない事情ができたとしたら、需給バランスからして株価は下落するでしょう。
出来高が大きい銘柄であれば多少の売りは「効率的」に吸収されるのかもしれませんが、出来高の少ない銘柄であればそんなわけにはいきません。
わずかな売りで株価が一時的にしろ大幅に下落するというのは充分にありえます。そこで形成される株価は「効率的」なものであるとは言えません。
人間がいつでも合理的な判断で売買しているはずがありませんし。
テクニカル分析については「ウォール街のランダムウォーカー」のように「いじる」ことすらせず、「勢いは衰えている」と一刀両断しているのも心地よいです。
率直に言い切ってしまえば、どのような分析であれ、過去の株価の値動きから将来の株価の動きを実践上有効と言える程度に正確に予測することは、できないと思います。
都合の良い事例を引っ張ってきて、後講釈的に解説することはいくらでもできます。というか、テクニカル分析とやらは本質的にそのようなものですから。
で、ある予想なり予測をして、それが「当たる」ことも当然ありますね。なんでかというと、株価の変化は上るか下がるか変わらないかの3つしかなく、ほとんどの場合は、どの程度の変化かにもよりますが、変わらないということはほとんどなく、
上ると下がるかのどちらかですから、そのテクニカル分析とやらによらなくても、予想なり予測が当たる確率は単純に考えて1/2です。
だから、予想が5連勝する確率はこれも単純に考えて1/2の5乗、1/64です。
予想が当たったからといって、そのテクニカル分析とやらが有効であることの証明にはなりません。
「まあ、お好きな方はどうぞ、私は嫌いです。」というだけのことです。
本書は全体として「将来起こることはわからない」というスタンスが貫かれている、というか、事実、将来起こることは誰にもわからないのだけれど、という点がよいです。
つづく~
全部読みました。
予想どおり、なかなかいい内容でした。
非常にまっとうで、私自身のスタンスにも合ってます。
冒頭のところで、私(著者)にとって特に重要な書物として「敗者のゲーム」「バブルの物語」「まぐれ」の3冊を挙げてます。
「バブルの物語」は読んだことがないですが、他の2冊は読んでかなり面白かったもの、
とりわけ最近では「まぐれ」は出色の一冊でした。
まず、本書は市場の効率性について「完全に効率的、あるいは完全に非効率的な市場は存在しない、要は程度の問題である。」と書いています。
穏当でまっとうな見解だと思います。
そんなに簡単に相当程度に効率的な市場を出し抜けるはずはないと私自身は常々思っています。
と同時に、個々の株価の値動きが完全に効率的であるはずはありません。
どこかの大株主さんが何らかの事情で株を売却しなければいけない事情ができたとしたら、需給バランスからして株価は下落するでしょう。
出来高が大きい銘柄であれば多少の売りは「効率的」に吸収されるのかもしれませんが、出来高の少ない銘柄であればそんなわけにはいきません。
わずかな売りで株価が一時的にしろ大幅に下落するというのは充分にありえます。そこで形成される株価は「効率的」なものであるとは言えません。
人間がいつでも合理的な判断で売買しているはずがありませんし。
テクニカル分析については「ウォール街のランダムウォーカー」のように「いじる」ことすらせず、「勢いは衰えている」と一刀両断しているのも心地よいです。
率直に言い切ってしまえば、どのような分析であれ、過去の株価の値動きから将来の株価の動きを実践上有効と言える程度に正確に予測することは、できないと思います。
都合の良い事例を引っ張ってきて、後講釈的に解説することはいくらでもできます。というか、テクニカル分析とやらは本質的にそのようなものですから。
で、ある予想なり予測をして、それが「当たる」ことも当然ありますね。なんでかというと、株価の変化は上るか下がるか変わらないかの3つしかなく、ほとんどの場合は、どの程度の変化かにもよりますが、変わらないということはほとんどなく、
上ると下がるかのどちらかですから、そのテクニカル分析とやらによらなくても、予想なり予測が当たる確率は単純に考えて1/2です。
だから、予想が5連勝する確率はこれも単純に考えて1/2の5乗、1/64です。
予想が当たったからといって、そのテクニカル分析とやらが有効であることの証明にはなりません。
「まあ、お好きな方はどうぞ、私は嫌いです。」というだけのことです。
本書は全体として「将来起こることはわからない」というスタンスが貫かれている、というか、事実、将来起こることは誰にもわからないのだけれど、という点がよいです。
つづく~