日経マネーに勝間和代氏の連載があって、今月号は金への投資についての内容です。
この原稿の最終的な結論、金は「ポートフォリオの中で大きく持つべきではない」については、それはそうかなと思うのですが、そこに至るまでの論法がどうも納得しがたい部分があります。
3つの金保有の理由をそれぞれ否定してかかるのですが、どうもこれが、結論は最初にあって、それに合致するような論理展開を跡からくっつけているような印象が強いのです。まあ、そういう内容は、どこに限らずよく見かけますけど。
たとえば、分散投資としての意味について、世界債券と値動きの傾向が近いから、金ではなくて世界債券インデックスのETFで代替になるといった記述があります。
そもそも、この値動きの傾向の類似というのがどの程度の期間でどうなのかという論拠なり出典が示されていません。論文じゃなくて、一般向けの啓発的な意味の原稿なんだからいいじゃないかというところもありますが、このあたりは書く人の誠実さが問われるところ。債券と金ではやはり意味が違うので、これで完全に代替になるとは思われません・・。
インフレヘッジなら商品インデックスの方がいいという記述もあります。商品の一つとしてとらえれば意味はわかりますが、これから、金以外の金属のETFも上場になりますし、石油、農産物といった商品とは意味が異なる資産として、金以外も含めた貴金属を保有しておく意味はインフレヘッジとしてもないとは言えません。
実需についても、中国以外は伸びていないという指摘がありますが、反対に言えば中国は相当の伸びです。
というように、挙げている理由は理由になっていないこともないけど、そうでもないとも言えるようなもので、どうも、ちょっと論理に無理があるように感じるところが多いのですね。
旧の原稿はこちらに載っています。
その中で第4回:塩漬け株を貸すと、得できる?
というのがあります。ここでは貸株のリスクについて述べています。
一般にはこのリスクはあまり意識されないので、それを意識してもらうための意味はありますが、基本的にはSBIとマネックスということなら、BBB格の証券会社に株を貸して金利をもらうというのはリスクに見合うと考えるのかどうかということです。原稿の中であるような、証券会社がヘッジファンドの株を貸して、帰ってこなくて共倒れするというような想定というのは、サブプライム後の現在の状況下でどの程度の意味があるのかも疑問です。
同様に、個人向け社債についてのリスクを強調した原稿もありました。
これらの原稿でも、今月感じたのと同様の「まず結論ありき」的違和感を感じました。
全体として極端におかしなことは言っていないし、非常に「できる」方ではあるのでしょうけど、どうもこの違和感は払拭しきれません。
この原稿の最終的な結論、金は「ポートフォリオの中で大きく持つべきではない」については、それはそうかなと思うのですが、そこに至るまでの論法がどうも納得しがたい部分があります。
3つの金保有の理由をそれぞれ否定してかかるのですが、どうもこれが、結論は最初にあって、それに合致するような論理展開を跡からくっつけているような印象が強いのです。まあ、そういう内容は、どこに限らずよく見かけますけど。
たとえば、分散投資としての意味について、世界債券と値動きの傾向が近いから、金ではなくて世界債券インデックスのETFで代替になるといった記述があります。
そもそも、この値動きの傾向の類似というのがどの程度の期間でどうなのかという論拠なり出典が示されていません。論文じゃなくて、一般向けの啓発的な意味の原稿なんだからいいじゃないかというところもありますが、このあたりは書く人の誠実さが問われるところ。債券と金ではやはり意味が違うので、これで完全に代替になるとは思われません・・。
インフレヘッジなら商品インデックスの方がいいという記述もあります。商品の一つとしてとらえれば意味はわかりますが、これから、金以外の金属のETFも上場になりますし、石油、農産物といった商品とは意味が異なる資産として、金以外も含めた貴金属を保有しておく意味はインフレヘッジとしてもないとは言えません。
実需についても、中国以外は伸びていないという指摘がありますが、反対に言えば中国は相当の伸びです。
というように、挙げている理由は理由になっていないこともないけど、そうでもないとも言えるようなもので、どうも、ちょっと論理に無理があるように感じるところが多いのですね。
旧の原稿はこちらに載っています。
その中で第4回:塩漬け株を貸すと、得できる?
というのがあります。ここでは貸株のリスクについて述べています。
一般にはこのリスクはあまり意識されないので、それを意識してもらうための意味はありますが、基本的にはSBIとマネックスということなら、BBB格の証券会社に株を貸して金利をもらうというのはリスクに見合うと考えるのかどうかということです。原稿の中であるような、証券会社がヘッジファンドの株を貸して、帰ってこなくて共倒れするというような想定というのは、サブプライム後の現在の状況下でどの程度の意味があるのかも疑問です。
同様に、個人向け社債についてのリスクを強調した原稿もありました。
これらの原稿でも、今月感じたのと同様の「まず結論ありき」的違和感を感じました。
全体として極端におかしなことは言っていないし、非常に「できる」方ではあるのでしょうけど、どうもこの違和感は払拭しきれません。