ゴア氏の「
不都合な真実」は幅広い環境問題を提起し
ノーベル平和賞に輝いたが、
レイチェル・カーソン女史の「
沈黙の春」を忘れてはなるまい。
45年も以前に書かれたこのレポートは、化学物質(農薬)が生物に及ぼす広範
囲で壊滅的な影響を、実証的に示す。
DDT、
パラチオン、
BHCなどの農薬が、土壌汚染、水の汚染を引き起こし,
人間の健康に直接影響を与え、植物、昆虫、ミミズから鳥類へ、また魚類へ、家
畜へと猛威を振るう様を、記録をたどってゆく。
百年河清を待つ、全てを水に流す、などの文化を持ってきた我々には、衝撃的で
あり、食料自給率の低い国としては憂鬱である。
今、長年の眠りから醒めた中国が、40年前のアメリカと同じではないだろうが、
農薬入りの毒ギョーザ、毒采を生み出している。この国の国民にも読ませたい。
もし女史が生きておられたら、食品添加物、電磁波、遺伝子組み換え、などの影
響もレポートして欲しかった。