F1 第16戦ベルギーGPを振り返る

 今年もまた、スパ・ウェザーがレースの綾となった。ウェット・レースでなければトヨタがマクラーレンを追い回すシーンを見ることはなかったであろうし、モントーヤとピッツォニアの接触もなかった。琢磨のミヒャエルヘの追突も、ウェバー、ビルヌーブ、モンテイロの入賞もなかっただろう。

 レースは結果だから、雨であったから、なかったからと言ってみても仕方がない。あの天候であの路面状況で速かったものが優勝し、リスクをコントロールできなかったものがリタイヤしたのだ。

 そんな荒れたレースでライッコネンとアロンソは、そしてマクラーレンMP4-20メルセデスとルノーR25はチャンピョン争いをするに相応しい当代きってのドライバーであり、そしてマシンであることを証明し。

 ライッコネンは渾身の走りで最年少チャンピョンがここスパで登場することを阻止はしたが、次戦ブラジルGPではアロンソがリタイヤでもしない限り、おそらくは決着が着く。ライッコネン自身が最年少チャンピョンの座をかけてミヒャエルに果敢に戦いを挑んだ2003年には叶わなかった記録誕生を、そのライッコネンが演出することになるのだろう。

 <ベルギーGP決勝レースの結果>

 1位:キミ・ライッコネン / マクラーレン・メルセデス / 予選2位
 2位:フェルナンド・アロンソ / ルノー / 予選3位
 3位:ジェンソン・バトン / BARホンダ / 予選8位
 4位:マーク・ウェバー / ウイリアムズ・BMW / 予選9位
 5位:ルーベンス・バリチェロ / フェラーリ / 予選12位
 6位:ジャック・ビルヌーブ / ザウバー・ペトロナス / 予選13位
 7位:ラルフ・シューマッハ / トヨタ / 予選6位
 8位:ティアゴ・モンテイロ / ジョーダン・トヨタ / 予選19位

 濡れたコースでのレース、更には終盤にドライ・タイヤに履き替えたドライバーもおり、レース中の各自の最速ラップと結果とは一致しないが、これが雨のレースの面白さでもあるので、いつものようにレース中のラップタイムも確認しておこう。

 1位:ラルフ・シューマッハ / トヨタ 1'51.453 / 43 D
 2位:マーク・ウェバー / ウイリアムズ・BMW 1'52.287 / 44 D
 3位:クリスチャン・クリエン / レッドブル 1'52.582 / 43 D
 4位:ルーベンス・バリチェッロ フェラーリ 1'52.590 / 44 D
 5位:ジェンソン・バトン / BARホンダ 1'53.323 / 44 D
 6位:キミ・ライッコネン / マクラーレン・メルセデス 1'53.810 / 34 W
 7位:ジャック・ビルヌーブ / ザウバー・ペトロナス 1'54.251 / 44 D
 8位:ナレイン・カーティケヤン ジョーダン / 1'55.885 / 43 D
 10位:フェルナンド・アロンソ / ルノー 1'56.131 / 31 W
 17位:ティアゴ・モンテイロ / ジョーダン 1'57.886 / 41 D

 注:タイムの後は記録周回、DはDry Tire、W はWet Tire

 濡れた路面の中でリードを築いたライッコネン、アロンソが遅いラップタイムながら乾き始めた路面で踏ん張り上位に、それ以降は乾いてきた路面に合わせて終盤ドライ・タイヤに履き替えたドライバーが最速ラップを連発しながら順位を上げてきた様子が良くお分かりいただけることだろう。

 F1史上最も若いワールド・チャンピョンが誕生するであろうブラジルGPは2週間後に開幕である。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の1枚は、玉簾(タマスダレ)。細長い籤のような葉を簾(すだれ)見立てて付けられた名前のようですが「玉」は花のことなのでしょうか。美しい花姿にはちょっと不似合いな名前のためか、属名からゼフィランサスと呼ばれることもあるようです。

[ 撮影:あかねの森 ]
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