消えゆくフロッピーディスク

 ソニーは1981年の発売以来30年にわたって販売してきたフロッピーディスク(FD)の国内販売を来年3月で終了することを発表した。USBメモリなど大容量かつ廉価な記録媒体の登場により需要が激減したことからの撤退。

 国内メーカーでは日立マクセル、三菱化学メディアなどが1年前の春にFDの販売から既に撤退しており、ソニーも海外での販売は今年3月末で終了していた。また昨年9月にはFDD(フロッピーディスク・ドライブ)の生産から撤退しており、2011年3月をもってFD事業から完全撤退することになる。

 新しいメディア(情報の記録媒体)が登場すると古いメディアは駆逐される。LP(レコードだ!)の登場によってSPは駆逐され、CDの登場によってLPが駆逐され、そして今、半導体メモリの大容量かつ低価格化によってCDが駆逐されようとしている。

 35mmフィルムの普及と共にブロニー(「ろくろく」等)はプロと一部のマニアのものとなり、半導体メモリに画像データを記録するデジタルカメラの登場によって35mmフィルムのマーケットは急激に縮小した。

 郷秋<Gauche>が初めて使ったFDは8インチであった。団扇代わりにもなったこれを知っている人は少ないかも知れないな。XEROXブランドの日本語ワードプロセッサ(東芝のOEMだったと思う)でこれを使った。FDDは2つで一方にはシステムFDを入れ、もう一方に漢字辞書の入ったFDを入れる。文書データを読み書きするときには漢字辞書FDを取り出して文書FDを入れる。

 IBMのマルチステーション5550が入った時に初めて5.25インチのFDを使った(IBMでは「ディスケット」と呼んでいたな)。暫くするとHDD内臓の5550がやってきたが、HDDの容量は20MB「も」あり、このHDDがいっぱいになる程の文書を作るのに何年かかるのだろうかと真剣に考えたものであった。

 3.5インチのFD を初めて使ったのは5540であった。マルチプラン(EXCELの前身)を使ってB4横長いっぱいの集計表を作って驚愕されたものである。おぉぉぉ、郷秋<Gauche>も歴史を語れる程の歳になったか(^^;

 新しいメディアが登場すると古いメディアが駆逐されることを歴史は証明している。さて、次に駆逐されるメディアは何だろうか。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、花蘇芳(はなずおう)の枝を這う立派な青虫。
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