弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

法廷から「どうぞお好きにツイートしてください!!」

2011年12月16日 | 裁判・法律

といっても、これは日本のことではありません。

イギリスでは、昨年から、試行的に、担当裁判官の許可を得て、ツイートできる
こととし、その間、マスコミ関係者や法律関係者や一般市民の意見を聴取
していましたが(以前にブログに書きました)、
12月14日、正式に、ガイドラインが発表されました。

これによると、ノートパソコンやスマートフォンからライブのテキスト形式の
報告ができることになりました。
マスコミ関係者の場合は、特に許可も必要ありません。
一般市民の場合は、許可が必要です。
ただし、審理に障害があれば、判事はいつでも、使用を停止させることが
できるというものです。

ただし、写真撮影はこれまでどおり禁止です。

一番の懸念は刑事事件で、法廷外で待機している証人が、中で
起こっていることを知って、影響される可能性があるということなどです。

ですから、現実には、無制限に法廷からのツイターやブログによる生中継
が許されるというわけではないとは思います。
特に、一般市民による利用は、事実上認められることは少ないのでは
と予想されます。

なお、不都合が生じると、法廷侮辱罪に問われることになります。
日本と違って、法廷侮辱罪が発動されることが多いようなので、
乱用の歯止めになるのでしょう。

裁判に対する考え方は、イギリスやアメリカと日本は、大きく異なっており、
パブリックによる監視は当然と認められているようです。
陪審による裁判を受ける権利というのは同じ発想によるものです。

公正・適正な審理というのは、基本的は公開裁判の原則にあり、
審理の様子を公正に正確にレポートするというのは、公開の原則の
一部分だという考えです。

小澤裁判のような場合、イギリスならどうなるのでしょうか?

 

 


やるしかない!

2011年12月15日 | 生き方・人生

仕事をしていて、ときどき、

「やるしかない」んだと感じることがあります。

これは、決して悪い評価ではありません。
むしろ「やるしかない」からと、とにかく、前に進む、休まずに
決めたことを決めた通りにやる、そうすると、意外な展開に
なることが多いということです。
他に方法がないから迷いもない、ただ、ひたすら、決めたスピードで
一歩一歩を進めていく、愚直に、
これが一番大事な気がします。

それはまた、個人の生き方としても、同じです。
「やるしかない」じゃない、と腹が据わると、本当にやるしかない
わけです。
「腹が据わる」というように、風が吹こうが、雨が降ろうが、嵐になろうが、
動揺することはありません。
ヨロケタリ、転んだりするわけにはいきませんから、
着実に歩を進めなければなりません。
いったんリズムがつくと、むしろ止まるのが難しいくらいです。
気がついたら、景色の違うところに着いているはずです。

繰り返しですが、また最近、このようなことを考えています。

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アメリカの映画などみているとメールの着信案内がパソコンの画面に
大きく出ていることがありました。欲しいなと思っていました。
キティちゃんが知らせてくれるようになりました(音つき、大きさは
約4×4㎝)。

スワジランドのチャイルドからの手紙に貼ってあった切手です。
とてもカラフルで楽しいですね。
切手を見る限り、文明度は高いように思います。


銀座の子猫

2011年12月14日 | 日記

10日の土曜日。
年末の買い物で混んでいます。
そういう中で、とりわけの人混み。
例によって、野次馬根性のなせる・・・・

今日は子猫ちゃんが4匹です。サービス精神旺盛です。
しばらくすると、回れ後ろをして、反対側の人に顔見世です。

本当にこれ、誰かがしたわけではないのです。

右側の子猫ちゃん、落っこちそうになっています。
みんなハラハラドキドキです。

どうというわけではないのですが、
心安らぎました。


2011年ノーベル平和賞、3人の女性に

2011年12月13日 | 海外事情

2011年のノーベル平和賞の授与式が10日ノルウェーのオスロで
行われました。
ノルウェーといえば、今年の夏、オスロ近郊のウトヤ島で研修中の10代の
青年たち69名が虐殺されるという銃乱射事件がありました。
犯人は、結局、妄想性の統合失調症で意思能力がないとして
犯罪に問われることはないとの判断がなされたばかりでした。

それはそれとして、今年の受賞者は、リベリアのエレン・サーリーフ(Ellen Sirleaf)
大統領、同じくリベリアの平和活動家リーマ・ボウイー(Leymah Gbowee)氏、
イエメンの人権活動家タワックル・カルマン(Tawakkul Karman)氏でした。

リベリアの2人については、達成したものがあります。アフリカで初めての選挙をし
その選挙でサーリーフ氏はアフリカ初の女性大統領になったのですし、また、
受賞が決まった直後の選挙で、再選を果たしています。
ボウイー氏は、このような民主化に、活動家として大きな役割を果たしていたのです。

イエメンのカルマン氏はというと、期待の方が大きいかも知れません。
32歳、ノーベル平和賞受賞の最年少記録です。
勿論、30年以上も続いたサレハ大統領の辞任を求める運動は2月から
始まり、結局、大統領の辞任宣言まで追い込みました。
カルマン氏の活動があったからです。
ノーベル平和賞授賞式に合わせるかのように同じ10日に、来年2月21日に
実施される大統領選までの3か月の移行期間中の暫定政権・
挙国一致内閣の宣誓就任式が行われました。
カルマン氏のノーベル平和賞効果もあると思います。
本番はこれからです。
インタビューで大統領選挙に出るつもりがあるかと質問をされていたのは
こういう事情からでしょう。
イエメンは世界でも最も貧しい国の一つと言われています。
またアルカイダがここを根拠地としています。
ただ、国が小さいということは小回りがきくということでもあるので、
何かできるかもしれません。

また、カルマン氏の平和賞はアラブの春に対するエールでもあると思います。

今年のノーベル平和賞には、小さな夢があるように思います。
「ローソクの灯り」のような感じです。
(当事者には生きるか死ぬかの過酷な状況でしょうが)

授賞式の様子はBBCのビデオをご覧ください。ここからどうぞ。
カルマン氏の挨拶にはスタンドオーベンションがあったりして、和やか
な雰囲気です。

背景事情等を含めた記事やビデオはCNNの日本語版をご覧ください。
ここもどうぞ。

 


LAW&ORDERからみるアメリカ、安楽死・尊厳死について

2011年12月12日 | Law&Order

Law&Order のシーズン18が始まりました。
これからが楽しみです。
シーズン18は2008年1月から5月に報道されたものです。
最近のアメリカについて、以前に比べ、知識が増加してきましたから、
背景事情を知っていることで、作品の理解に深みができたように
感じるのです。

18の#1は、安楽死というか尊厳死というか、痛みの激しい末期患者
の自殺を助ける行為です。
実は、Law&Orderはニューヨーク・ポストの第一面の報道記事をヒントに
テーマを選択しているということでした。ただ、出来上がったものは
実話とは全く関係ないということでした。
ですから、どこまでが実話でどこまでが創作なのかも気になっていました。

今回の#1は、多分、「死の医師」として知られていた実在の
ジャック・ケボーキアン氏に関係しているのだと思われます。
同氏は自らの末期患者を約10年にわたり総計130人尊厳死させたとして
1999年にとうとう自殺ほう助(第二級謀殺罪)で有罪になっていたのですが、
2007年に仮釈放になっていたのです。
条件は自殺ほう助はしないということでした。
なお、同氏は、自殺装置をみずから考案していたのです。
薬物を利用したものと一酸化炭素中毒を利用したものがあり、
いずれも患者自身が装置を作動させる仕組みだったのです。
また、1999年の有罪のきっかけはCBSテレビで、実際にほう助の様子を
放映させたことでした。

こういう背景事実を知っていると、#1はかなり事実に近いものがあります。
おそらく、死の医師の仮釈放に刺激されたものと思います。

しかし、その後は創作ではないかと思われます。
というのは、ドラマでは法廷の場で効き目があらわれるよう、薬物を自ら
服毒して自殺をするのですが、
現実の死の医師であるジャック・ケボーキアン氏は、その後も選挙に出るなど
活躍し、今年の6月3日、83歳で自然死をしたのです。
皮肉なものですね。

なお、安楽死・尊厳死に使う薬が死刑執行に使うのと同じというのも、考え
させられます。事実というのはこういうものなんでしょうね。

アメリカでは、医師の処方の下での末期患者の自殺について、
1997年にオレゴン州で、2009年にはワシントン州で法律で認められる
こととなり、その後、連邦最高裁判所でも合憲との判決があったという
ことです。

ということは、#1は自殺をする権利についての、賛成、反対のそれぞれの
立場を法廷という場で明らかにして見せたものといえましょう。
そして、自殺する権利は憲法で認められたものだと、証人席で証言しながら
法廷で自殺を完結させるという、Law&Orderのドラマは、
現実の法律の世界でのその後の動きをみると、極めて象徴的です。

多分、これがLaw&Orderの魅力なのでしょう。

また、若干余談になりますが、シーズン18では、地方検事のアーサーに
かわりマッコイがその後任になるのですが、
シーズン17の最終回でマッコイが辞職願を出し、アーサーに受理を拒否され
撤回する場面があります。
そのときに、アーサーがマッコイの検事昇進を示唆した際、マッコイは
自分は政治に関心はないと言い、アーサーは最初はみんなそういうと答えて
います。
アーサー役のフレッド・ダルトン・トンプソンは、俳優でもありますが、
共和党の上院議員もした政治家で、Law&Orderのアーサー役を降りたのは
2008年の大統領選挙に共和党から立候補するためだったのです。
立候補表明はしたものの、撤退したということです。
オバマの対戦候補になる可能性があったのですね。
最後の場面のアーサーの言葉はとても深い意味があったのですね。

ますます楽しみです。