人間関係の希薄化が社会問題化する中、地域共生を問い直す「『支え合い社会』県民フォーラム」(神戸新聞社など後援)が29日、神戸市中央区熊内橋通7の神戸芸術センターで開かれた。兵庫県内各地の民生委員ら約650人が参加し、精力的な取り組みの発表などに耳を傾けた。
県社会福祉協議会などが主催。同会が主体となり5年前に設立した「『ストップ・ザ・無縁社会』全県キャンペーン推進協議会」の2017年度総会を兼ねる。
2部制で、1部のパネル討議には、宝塚市第5地区民生児童委員協議会会長の福住美壽さん▽赤穂市地域活動連絡協議会会長の岩崎由美子さん▽神戸市の社会福祉法人白百合学園理事長の小笠原敏有さん-が登壇した。
阪神・淡路大震災が地域活動の契機になったという福住さんは「独居高齢者や孤独な子どもなど、街には気になる人がいっぱい。さりげなく寄り添いたい」と地域サロン運営の意義などを語った。地域の「母親クラブ」から活動を始めた岩崎さんは古民家を多世代の交流拠点にしており「各自ができることを生かして地域を元気に」と話した。
障害者の就労支援と農業の担い手不足解消を同時に目指す「農福連携」に取り組む小笠原さんは「それぞれの立場でやりがいを見つけ、能力を最大限発揮できるようにできれば」と、今後の展望などを説明した。
2部の記念講演では「尾木ママ」の愛称で親しまれる、教育評論家尾木直樹さんが、障害の有無や性自認の違いを超え、お互いを認め合う社会の豊かさについて話した。

それぞれの地域活動について発表するパネル討議のメンバー
2017/8/30 神戸新聞NEXT