[佐賀新聞 2007年10月19日]
■「取り押さえ急死なぜ?」授産施設協が県警に質問状/佐賀■
知的障害の男性が警察官に取り押さえられて急死した問題で、県授産施設協議会(村上三代代表、42施設)は19日、県警に真相解明と障害者への理解を求める文書を提出した。県内では過去にも障害者の安全が脅かされる類似事例が発生。国は障害者の地域社会での自立を進めている中、家族らは「怖くて外に出せない」と切実な危機感を募らせている。
亡くなった安永健太さん(25)=佐賀市木原=は先月25日夕、同市南佐賀の国道で、自転車に乗って蛇行運転をしたとして、警察官5人に取り押さえられ、直後に意識を失い死亡した。勤務する授産施設から帰宅する途中だった。
文書は質問書と声明文の2種類あり、質問は安永さんの遺族らから話しを聞いてまとめた。
「なぜ手錠をかけたのか」「顔や頭などに複数の外傷があるのはなぜか」―など、安永さんが亡くなった詳しい経緯の説明を求めている。
声明文は「警察官が知的障害者の特性を少しでも認識していれば、このような悲惨な事件は起きなかった」と地域で生活する障害者への理解を求める内容。県内の授産施設などで働く障害者約1200人の声として、県にも提出した。
この問題が障害者の家族や施設関係者に「人ごとではない」と思わせたのは、過去にも類似事例が起きているからだ。
「3年前、知的障害の青年が散歩中に職務質問を受け、手錠をかけられた」「利用者が帰宅中に警察官に呼び止められて以来、恐怖でその通勤路を通れなくなった」
障害者自立支援法により、今後5年間で施設入所者の「地域移行」が進む。障害が軽度であれば施設を出なければならず、地域で暮らす障害者は急激に増えるが、「障害者の家族たちは『安易に不審者扱いされるようで怖くて外に出せない』と言っている」。県警を訪れた施設長たちの顔には、現状への不安と焦り、悔しさがにじんでいた。
県警は現段階では「警察官の行為は妥当だった」との見解を示しており、質問書に対しては「調査を尽くして適切に対応したい」と返答している。
■「取り押さえ急死なぜ?」授産施設協が県警に質問状/佐賀■
知的障害の男性が警察官に取り押さえられて急死した問題で、県授産施設協議会(村上三代代表、42施設)は19日、県警に真相解明と障害者への理解を求める文書を提出した。県内では過去にも障害者の安全が脅かされる類似事例が発生。国は障害者の地域社会での自立を進めている中、家族らは「怖くて外に出せない」と切実な危機感を募らせている。
亡くなった安永健太さん(25)=佐賀市木原=は先月25日夕、同市南佐賀の国道で、自転車に乗って蛇行運転をしたとして、警察官5人に取り押さえられ、直後に意識を失い死亡した。勤務する授産施設から帰宅する途中だった。
文書は質問書と声明文の2種類あり、質問は安永さんの遺族らから話しを聞いてまとめた。
「なぜ手錠をかけたのか」「顔や頭などに複数の外傷があるのはなぜか」―など、安永さんが亡くなった詳しい経緯の説明を求めている。
声明文は「警察官が知的障害者の特性を少しでも認識していれば、このような悲惨な事件は起きなかった」と地域で生活する障害者への理解を求める内容。県内の授産施設などで働く障害者約1200人の声として、県にも提出した。
この問題が障害者の家族や施設関係者に「人ごとではない」と思わせたのは、過去にも類似事例が起きているからだ。
「3年前、知的障害の青年が散歩中に職務質問を受け、手錠をかけられた」「利用者が帰宅中に警察官に呼び止められて以来、恐怖でその通勤路を通れなくなった」
障害者自立支援法により、今後5年間で施設入所者の「地域移行」が進む。障害が軽度であれば施設を出なければならず、地域で暮らす障害者は急激に増えるが、「障害者の家族たちは『安易に不審者扱いされるようで怖くて外に出せない』と言っている」。県警を訪れた施設長たちの顔には、現状への不安と焦り、悔しさがにじんでいた。
県警は現段階では「警察官の行為は妥当だった」との見解を示しており、質問書に対しては「調査を尽くして適切に対応したい」と返答している。