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あぶない刑事 10年ぶりに復活そしてラスト

2015-02-04 02:28:29 | MUSIC/TV/MOVIE
舘ひろしと柴田恭兵がW主演して大ヒットしたドラマ、あぶない刑事が帰ってくる。
遂に2016年に復活!楽しみだ。

このドラマが人気あったのは、それ迄の刑事ドラマとまったく違ったって事だ。
粋なスーツを着こなし洒落た台詞、コミカルな仕草。そして横浜を舞台にしたアクション。これ迄の泥臭い刑事モノを一蹴するスタイリッシュで痛快なテンポの構成。
それまでの刑事ドラマと言えば「部長刑事」「特捜最前線」「Gメン75」のようなシリアスな泥臭いものが主流。「太陽にほえろ」や「西武警察」もアクションは増えたが基本的に同じ流れで、共通するのはリーダーを中心にたくさんの刑事がそれぞれ活躍する。まとめ役のベテラン刑事、沈着冷静で地道な操作をする刑事、論理的分析で科学的捜査をするインテリ刑事、暴走しがちな若手刑事、そしてヒロインの女子刑事(又は警察官)。後の「踊る大捜査線」にも通じる大所帯構成だった。当時は今と違って長期放映だったから、登場人物が多いと脚本も作りやすいからかな。

この「あぶない刑事」は二人の刑事が主役。それまでにも二人の刑事が主役のドラマはあった。「俺たちの勲章」(松田優作/中村雅俊)「噂の刑事トミーとマツ(松崎しげる/国広富之)とかね。でもそのほとんどが片方がワイルド、片方がインテリって異なるタイプのペア刑事モノだ。この流れは今の「相棒」とかに受け継がれてる。
この「あぶない刑事」は二人とも型破り。課長(故 中条静夫)さんの言う事なんて毎回聞いちゃいない。勝手に動く。銃を撃ちまくる。犯人の車はいつも大破。暴力団相手だと(必ず銀星会って名前だった)やりすぎなくらいボコボコに殴る。だけどただバイオレンスじゃなく、時にシリアスに、時にヒューマンなストーリーで泣かせる。そして全編に散りばめられてる粋な台詞とコメディ、スピード感はアメリカ映画のようなかっこよさがあった。

それと、以前の刑事ドラマはいつも最後は犯人逮捕で事件が解決、被害者も報われた。というパターンが成立していたけど、このあぶ刑事はアメリカの「マイアミバイス」と同じく事件解決だけじゃなく捜査や司法、警察組織、そして社会問題点もさりげなく取り入れてたな。
松田優作の名作「探偵物語」や萩原建一の「傷だらけの天使」から受け継ぐかのようにファッションセンスも良かった。ブランドスーツをさりげなく着こなしてた。(当時新人だった仲村トオルは渡哲也さんからもらったジャケットを着てた)
そして随所に出てくるパロディやウィットも見逃せない。
自動販売機でジュースを買うシーンがあって舘ひろしがポカリのボタン押したのにダイドーブレンド珈琲が出てきて・・(当時、舘ひろしがポカリスエット、柴田恭兵がダイドーのCMをしてた)とかクスッと笑えるシーンをシリアスの中に紛れさせてた。

時代の流れか、放映開始頃は自由に表現できてたのに、シリーズを重ねる毎にだんだん放送規制やルールがうるさくなったのか、パトカーで犯人を追跡するシーンはシートベルトを締めるようになり、反対車線にUターンするのにウィンカーつけてたり、お約束の舘ひろしが犯人を追うために走ってきたバイクを借り追跡するシーンでもヘルメットをちゃんとかぶってたり、煙草はポイ捨てじゃなくポケット灰皿で消してたり、犯人を撃つ前に一度空砲を空に向けて撃ってたり。全然危なくない刑事になってしまった。仕方が無いか。

まぁそれでもこのシリーズ最終作は映画館で観たいな。
ダーティハリーやダイハード、リーサルウエポンなど刑事モノシリーズの映画は世界に数あれど、「同一キャスト同シリーズ」で7本もの映画が作られたのはこの日本の「あぶデカ」だけとのこと。
今度で正真正銘のラスト作らしい。